■背景
近年、空き家が増加し社会課題となっています。総務省統計局発表「平成30年住宅・土地統計調査」によると、全国で空き家は約849万戸、空き家率は13.6％と過去最高の水準となり、2033 年には全国の住宅の 4 軒に 1 軒が空き家になると予測されています。三重県内の空き家も年々増え続けており、平成30年時点で約13万戸に上り、これは昭和63年の約2.4倍にあたります。総住宅数に占める空き家の割合は15.2％で、全国の空き家率13.6％と比べて高い水準となっています（※1）。
当社は、解体工事領域で、全国約1,500社の専門工事会社と施主をマッチングする一括見積もりWebサービス「クラッソーネ」を運営しており、これまでに累計約11万件以上の問い合わせ実績、累計約1万件以上の工事契約実績（※2）があります。2020年9月からは施主と工事会社に対し“着手金保証”“完工保証”“第三者賠償責任保険”を組み合わせた「クラッソーネ安心保証パック」（※3）の提供を無料で開始し、空き家解体に伴う不安解消、社会課題化している空き家問題解決への取り組み強化を行っています。
鈴鹿市では、平成27年、平成28年に実施した空家等実態調査において、1,132件（内、管理不全空き家157件）の空き家があることを把握しています。こうした空き家に対応するため、平成29年3月に「鈴鹿市空家等対策計画」を策定し、「空き家化の抑制・予防対策」、「空き家等の活用・流通促進」、「特定空家等の抑制・解消方策」の基本方針のもと、各種事業を推進し、680件（令和4年12月末時点）の空き家等の解消に繋げています。
しかしながら、様々な理由から適切な管理等が行われず、そのまま放置される空き家等が、防災・防犯、衛生、景観面などにおいて多岐にわたる問題を生じさせ、地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることが課題となっています。
今回、国交省の空き家対策モデル事業に採択された当社の「AIによる解体費用シミュレーター活用推進事業（※4）」の実施における知見を活かしながら、鈴鹿市と当社が連携協力することにより、空き家の適正な管理の促進に寄与することを目的として、協定の締結に至りました。取り組みを通じて、空き家の課題を解決するとともに、当社運営の「解体費用シミュレーター」をはじめとしたIT技術やデータを活用して、自治体担当者の住民対応の質の向上や業務効率化など、自治体DXの推進に寄与します。
（※1）三重県公式サイト内「空き家の現状」より
（※2）旧サービス「くらそうね解体」の実績含む
（※3）空き家処分の不安を解消するための新サービス完全無料型「クラッソーネ安心保証パック」を提供開始（2020年9月29日）：https://www.crassone.co.jp/news/release18/
（※4）解体費用シミュレーターを利用した公民連携での空き家対策事業が、令和3年度の国土交通省「住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」に採択された：https://www.crassone.co.jp/news/release26/
■協定に基づく主な取り組み内容
- 市内の空き家所有者に対し、解体の概算参考価格を提示する「クラッソーネ」の解体費用シミュレーターを紹介
（URL：https://www.crassone.jp/simulator/mie/suzukashi） - 市民や空き家所有者へ空き家処分の進め方に関するフライヤーを配布
- 市民や空き家所有者からの相談に、当社のサービスや情報を活用し対応
- 空き家の除却促進に関する施策において、当社のサービスやノウハウを提供
■代表者のコメント
鈴鹿市長 末松 則子 氏
全国的に空き家が増加する中、鈴鹿市では空き家化の予防・利活用・除却の３本柱で対策を行っています。
解体費用シミュレーターにより、空き家の所有者等は除却に伴う不安解消につながり、空き家対策の一助になればと考えています。
今回の協定締結により、腐朽した空き家の除却や空き家の適正な管理を促進し、快適でやすらぎのあるまちづくりの実現に向けて取り組んでまいります。
株式会社クラッソーネ 代表取締役CEO 川口哲平
当社は「『街』の循環再生文化を育む」というビジョンを掲げ、解体工事を通じて多くの人々の豊かな暮らしの実現を目指しています。事業を行う中で、空き家問題の高まりを感じており、またその解決には自治体と民間事業者の連携が重要だと考えています。
増加する空き家に対する対応として、各種事業を推進する鈴鹿市とこのたび連携協定を締結し、空き家解体の領域でサポートができることを大変嬉しく思います。弊社の解体についての知識や経験・IT技術を活かして、鈴鹿市のまちづくりに貢献できるよう尽力して参ります。
■鈴鹿市について（概要）
鈴鹿市は、東に伊勢湾、西に鈴鹿山脈と恵まれた自然環境の中にあり、伝統ある歴史と文化に育まれ、生き生きとした生活ができるまちです。
鈴鹿市は、自動車産業など数多くの企業を誘致し、伊勢湾岸地域有数の内陸工業都市として発展してきました。また、農業においても、恵まれた豊かな大地で、茶や花木をはじめ、水稲などの生産が活発に行われ、農業と工業がともに成長した「緑の工都」として現在に至っています。さらに近年では、国際交流や市民文化の向上に力を入れるなど、あらゆる面からの発展を遂げてきました。
（https://www.city.suzuka.lg.jp/index.html）
■株式会社クラッソーネについて（会社概要）
本社 ：〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅5丁目7番30号 名駅東ビル4F
代表者 ：代表取締役CEO 川口 哲平
設立 ：2011年4月1日
資本金 ：1,452,985,020円(資本準備金含む)
URL ：https://www.crassone.co.jp
事業内容：解体工事領域で、全国約1,500社の専門工事会社と施主をマッチングする
一括見積もりWebサービス「クラッソーネ」を運営
【「クラッソーネ」サービス概要】
2020年4月に全国展開した新サービス「クラッソーネ」は、解体工事領域で、全国約1,500社の専門工事会社と施主をマッチングする一括見積もりWebサービスです。特長としては、物件情報を入力するだけで、優良なおすすめ工事会社を紹介します。施主に対し工事会社を直接紹介することで、工事会社の多重下請け構造を解消し、施工費のコストダウンにつながることはもちろん、施主の希望条件に合わせて最適な工事会社を紹介します。見積もり内容の相談から工事完了まで運営がサポートし、契約の取り交わしは電子契約を採用しており、全てWeb上で完結できます。施主は工事会社の口コミや工事実績を閲覧でき、着手金保証や完工保証などを組み合わせた「クラッソーネ安心保証パック」（無料）を利用することにより、安心して工事を行うことが可能です。
また、最短1分で解体工事の概算費用を把握できる「解体費用シミュレーター」も提供しており、シミュレーターを利用した公民連携での空き家対策事業が、令和3年度・令和4年度の国土交通省「住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」に2年連続で採択されています。本事業を通じて空き家解体の検討を早期化することによって、社会課題である「空き家問題」の解決や、昨今注目を集めている「住まいの終活」の推進に取り組んでいきます。
