厚生労働省が令和4年12月23日(金)に発表した「令和2年都道府県別生命表」において滋賀県の男性の平均寿命が1位(82.73歳)、女性が2位(88.26歳)となり、昭和40年から5年毎の実施で12回目となる今回において、男性の平均寿命は、前回(平成27年)に続き、全国1位となりました。また、女性の平均寿命についても前回4位から2位に上昇し、男女ともに長寿県となります。
厚生労働省の調べでは、本県の男性は脳血管疾患による死亡率の低さが全国1位や、がんによる死亡率の低さが全国2位となっています。これらの背景には、喫煙率の低さや食塩摂取量の低さなど、生活習慣病予防に良いと言われる生活、行動が広がっていると考えられます。平均寿命が長い要因は様々ですが、県や市町の取組をはじめ、地域住民の主体的な取組等が総合的に平均寿命を延ばしたと考えられます。
この度の結果を受け、下記のとおり三日月大造滋賀県知事がコメントを出しましたのでお知らせいたします
<記>
■三日月大造滋賀県知事のコメント
本県の平均寿命が、男女とも全国トップクラスにあることを大変うれしく思います。これは、県民お一人おひとりが、健康的な生活習慣を続けてこられた結果であると思います。
琵琶湖や森林などの豊かな自然環境をはじめ、奥深い歴史や長く受け継がれてきた文化、そしてこれらが織りなす人々の暮らし、地域におけるつながりなど、全国に誇れる滋賀のライフスタイルが関係しているのではないでしょうか。是非、その秘密を探りに滋賀にお越しください。
引き続き、こうした本県の強みをさらに伸ばし、コロナに負けない「こころ」と「からだ」の健康づくりを進め、すべての県民が元気で健やかな生活を送ることができる「健康しが」の実現に取り組んでまいります。
■ 厚生労働省:R3年度人口動態統計調査
①男性の脳血管疾患による死亡率の低さ【全国1位】
②がんによる死亡率の低さ【全国2位】
③心疾患(高血圧を除く)による死亡率の低さ【全国5位】
■ 厚生労働省:「H28国民健康・栄養調査」
①喫煙率の低さ【全国1位】
②食塩摂取量の低さ【全国5位】
■ 県民の健康寿命延伸に向けた取り組み
・ 2017年12月に厚労省より公表された都道府県別平均寿命で、滋賀県は男性が初の全国1位、女性が4位となった。
・ これを受け、県民のさらなる健康寿命の延伸に向けて、企業や大学、地域団体、行政など、多様な主体が協力関係を築き、県民の健康づくりにつながる活動を創出するためのプラットフォーム「健康しが」共創会議を2018年10月に創設。県内外から223団体が参画(2022.11末現在)。
<活動創出事例>
●(株)ELT健康増進研究所 × (公社)滋賀県理学療法士会
理学療法士を対象とした健康伸び体操の研修会の実施
●(社福)滋賀県社会福祉協議会 × (一社)日本介護美容セラピスト協会
「女性のつながりサポート事業」でのハンドマッサージの講習実施
・ 長引くコロナ禍の影響により、心身ともに健康課題が顕在化する中、令和5年度に向けては、「こころとからだの健康づくり」を重点項目の一つに掲げており、すべての県民が元気で健やかな生活を送ることができるよう、「健康しが」共創会議に参画する団体など多様な主体とともに、「健康なひとづくり」「健康なまちづくり」を進めていきます。
■ スポーツを通じた健康づくり
・ R7年開催の国スポ・障スポ大会(わたSHIGA輝く国スポ・障スポ)に向けて、体育施設(県立体育館、陸上競技場等)の整備等の準備を進めており、新たに整備した施設の活用等によりスポーツを通じた健康づくりに取り組んでいきます。
<スポーツを通じた健康づくり事例>
●びわ湖毎日マラソンのレガシーを引き継ぐ市民マラソン大会「びわ湖マラソン2023」をR5年3月12日(日)に開催し、約7,000名のランナーが参加
●成人の週1日以上の運動・スポーツ実施率が右肩上がり( H30‗39.9% → R1‗44.1% → R2‗48.7% → R3‗52.0%)
●スポーツボランティアの登録者数が大幅に増加(H30‗1,789人 → R4.3‗3,823人)
■ 心のリズムを整える新たなツーリズム「シガリズム」
・ 「シガリズム」は、琵琶湖をはじめとした自然と歩みをそろえ、ゆっくり、ていねいに暮らしてきた滋賀の時間の流れや暮らしを体感することで、心のリズムを整える新たな旅の提案です。
・ コロナ禍を経て、健康志向の高まりや人々の価値観の変化等により滋賀の良さが注目されていることから、本県の自然や歴史、文化、暮らし、営みなど滋賀の魅力を深く体験・体感できる「シガリズム」として推進しようとしています。
・ シガリズムの推進にあたり、地域の価値ある資源を再発見・再評価し、磨き上げ、観光関連事業だけでなく、農林水産業や地場産業などに深く携わってこられた方々が紹介・提供する「その季節、その土地でしかできない」体験、「シガリズム体験」を創出しようとしています。現在、30以上の体験コンテンツを「シガリズム体験」サイトで公開中です。
■ 数字から見える滋賀県民の生活(総務省「令和3年社会生活基本調査」)
・ ボランティア活動の年間行動者率(10歳以上)全国4位
・ 旅行・行楽の年間行動者率(10歳以上)全国6位
・ スポーツの年間行動者率(10歳以上)全国6位
・ 学習・自己啓発の年間行動率(10歳以上)全国8位
※詳細は「滋賀県なんでも1番」を参照ください。
URL:https://www.pref.shiga.lg.jp/kensei/tokei/nandemo/22107.html
【参考資料】 湖国滋賀の独自の食文化
・ 古来、日本の農村では、タンパク質とカルシウムと脂質が不足がちでしたが、琵琶湖周辺では湖魚を食べることによって栄養が補われ、人々の健康に大きく貢献してきたと言われています。
・ 湖魚は刺身、なます、煮魚、佃煮、豆煮、焼魚、ナレズシ、鍋、味噌汁などにされ、多様な淡水魚の食文化が形成されてきました。
・ とりわけ琵琶湖周辺では、様々な魚をナレズシにして食べる文化が受け継がれてきました。ナレズシは保存の出来る食料としてだけでなく、神事や祭の際に神饌や直会として用いられるなど、人々の暮らしに密接に関わってきました。
・ ナレズシは良質のタンパク質源、脂質源であるとともに、発酵させることで魚を頭から尾まで丸ごと食べられるようになるため、カルシウムを豊富に摂取できる食品でもあります。
・ ナレズシの中でも「鮒ずし」は、お腹の調子の悪い時や体調の悪い時に薬代わりに食べる、といった昔からの風習があり、これは鮒寿しが良質の乳酸菌を豊富に含んだ発酵食品であり、腸内環境を良くする働きがある食物である事を経験として知っていたと考えられます。