次世代エネルギーの大量導入に不可欠となる蓄電池製品を生産する「Power Base」の敷地面積は、約28,272平米。工場の年間生産能力は最大5ギガワット時(GWh)で、年間約一万台分の蓄電池製品に相当します。蓄電池生産ライン以外に、研究開発センター、オフィススペース等も敷地内に設置されます。人材採用においては、エンジニアやオペレーター、技術者など、数年計画で百数人の雇用創出が見込まれています。
工場の建築は、ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展金獅子賞を受賞した「金沢21世紀美術館」*、ルーヴル美術館の別館「ルーヴル・ランス」*、犬島「家プロジェクト」等、国内外に様々な建築物を手掛ける世界的建築家、妹島和世氏が設計します。建設地となる岡山県玉野市の自然と調和した地域の発展に貢献する斬新な生産拠点を目指します。*SANAAとして建築を担当
- 日本国内で大規模な蓄電池工場を建設、高性能で安価な蓄電池製品を量産
当社は、電気自動車(EV)へのシフト、電力の需給調整、再生可能エネルギー発電の更なる普及等に不可欠である、蓄電池を活用したエネルギー・ソリューションの国内外展開を実現するため、大型蓄電池工場「Power Base」を建設いたします。蓄電池の導入で経済的な利益が得られる定置用蓄電池やEV急速充電器、船舶電池、家庭用蓄電池を開発しており、2024年春から年間出荷開始予定です。先月に発表したシリーズAラウンドの前半として調達した資金の一部は、「Power Base」の建設資金となります*。*パワーエックス|シリーズA前半で41.5億円の資金を調達 (https://power-x.jp/ja/news/pdf/PowerX_jp_20220523_1.pdf)
工場建設地となる岡山県玉野市は、瀬戸内海と緑あふれる山々に囲まれた港町で、地震などの災害が少なく、造船のまちとしての技術における人材確保が期待できます。また、宇野港等工場周辺の港の水深が深いため、大型船舶が着岸できる利点があります。その他にも、玉野市から、直島や犬島など、現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」の舞台となる島々への玄関口としてフェリーが発着します。宇野港も芸術祭の会場のひとつとなっており、港周辺にはアート作品が多数点在しています。 このような玉野市の恵まれた立地条件や自然資源を最大限に活用しながら、オートメーション化をじて、環境に配慮した、そして資源効率性を優先させた持続可能な生産環境を目指します。
- 世界的建築家・妹島和世氏が手掛ける、自然と共存する最先端の「未来の工場」
本工場は、太陽光、風力といった自然エネルギー源による電力の安定的な供給を実現させる蓄電池製品を生産する拠点です。工場としての機能だけでなく、周辺の自然や生態系と調和することで、従業員にとって快適な環境を提供しながら、好奇心を刺激し、地域との交流を促進させることを大切にしています。そのような思いを工場の建築設計に反映する妹島氏は、建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を日本人女性で唯一受賞しており、世界を舞台に活躍する建築家です。
今回の「Power Base」プロジェクトの敷地は、本州と瀬戸内海の島々をつなぐ玄関口の一つである宇野港からほど近い、運河に面したところにあります。その特徴を活用し、敷地にある既存の建物と周囲のスケールに対応した大きな屋根から、新しい働く空間を作成いたします。この屋根は緩やかにカーブしながら周りに広がる色々なものと関係をもち、その下に点在する大小様々なサイズのオフィス、研究開発センター、会議室などを繋げます。少しレベルの上がった、みんなが使えるプレゼンテーションルームからは、瀬戸内の美しい海と島々が望めます。玉野市の緑や海に囲まれた豊かな環境で、敷地に元々建っていた建物を活かしながら 誰もが訪れたくなる、そして繋がれる「新しい働く場」を目指します。妹島氏の設計に加え、自動化生産ラインの導入などにより、環境負荷の少ない、かつ効率よい生産工程を実現させる、社会と共に持続的に発展する工場として、地域の生物多様性の保全に貢献してまいります。
■株式会社パワーエックス 取締役兼代表執行役社⻑CEO 伊藤 正裕 (いとう まさひろ)
「この度は岡山県玉野市に弊社の工場と次世代研究開発センターを設立できることを大変嬉しく思います。また、世界的建築家である妹島先生ともご一緒にこのプロジェクトに取り組めることに感謝し、日本を代表する最先端の技術と製品が生まれる場所に致します。この新拠点で再エネの普及に不可欠な電池製品を大量生産し、大勢のエンジニア達と次世代電池の開発に取り組んでまいります。地元、玉野市の皆様にも喜んでいただけるように頑張ります。」
■岡山県玉野市 市長 柴田 義朗 (しばた よしろう)
「株式会社パワーエックス様に大型蓄電池組立工場「Power Base」の建設場所として玉野市を選んでいただき大変喜ばしく思います。 脱炭素社会の実現に向けた事業を展開するパワーエックス様が本市に建設される工場は、今までにない働き方や、日本及び世界を変えていく製品を玉野で製造されると聞いています。この未来の工場は、雇用の場としてだけでなく、地域の新たな魅力につながるものと期待しています。再生可能エネルギーの更なる普及を目指すパワーエックス様の進出を契機に、カーボンニュートラルを玉野から発信し、将来にわたり持続可能なまちづくりに努めてまいります。」
■妹島和世建築設計事務所 代表 妹島 和世 (せじま かずよ)
「このプロジェクトを始めるにあたり、伊藤社長から、これからの新しい働くための場所、働き方について考えたいというお話をお聞きし、とても感銘を受けました。それを一緒に考えさせていただくということは、私たちとしても非常に興味深く、大切なことだと思い、とても光栄に思いながら取り組ませていただいております。」
- Power Baseについて
場所:岡山県玉野市某所
延面積:28,272m2
生産規模:5GWh/年間
主要設備:蓄電池製品組み立てライン、研究開発センター、オフィス等
設計・建設パートナー:妹島和世建築設計事務所、株式会社奥村組
Power Base特設サイト:http://plant.power-x.jp/
- 岡山県・玉野市について
岡山県の南端に位置し、瀬戸内海の美しい自然環境に恵まれていることに加え、地震などの災害が少なく、とても住みやすい港町。市の中心部にある宇野港は、瀬戸内海の海上交通の重要拠点として発展し、フェリーの定期航路のほか、大型船舶が着岸できる耐震バースには年間を通じて多くの国内外クルーズ船が入出港。造船業の企業城下町として発展してきたこともあり、多くの造船関連企業が集積する「ものづくりのまち」といわれ、製造業が中心となっている。また、3 年に一度開催される現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」の会場のひとつとして、芸術祭屋外作品が点在したアートサイトもあり、国内外から多くの観光客が訪れている。
玉野市HP:https://www.city.tamano.lg.jp/
- 妹島和世氏について
建築家。1987年妹島和世建築設計事務所設立。1995年西沢立衛とともにSANAAを設立。2010年第12回ベネチアビエンナーレ国際建築展の総合ディレクターを務める。日本建築学会賞*、ベネチアビエンナーレ国際建築展金獅子賞*、プリツカー賞*、芸術文化勲章オフィシエ、紫綬褒章などを受賞。主な建築作品として、金沢21世紀美術館* (金沢市)、Rolexラーニングセンター* (ローザンヌ・スイス)、ルーヴル・ランス* (ランス・フランス)などがある。
- 株式会社パワーエックス (PowerX, Inc.)
URL:http://power-x.jp/
設立:2021年3月22日
代表者:代表取締役社長兼CEO 伊藤 正裕
所在地:〒107-6243 東京都港区赤坂 9-7-1ミッドタウン・タワー 43F
事業内容:大型蓄電池の製造及び販売、 電気運搬船の開発及び製造