今回、『文理芸融合のグローバル総合大学へ』をスローガンに掲げる同大学の特色を踏まえ、スポーツや芸術分野を中心にさまざまなユースケースの紹介を行いました。
本共同研究は、ローカル5Gの特長(超高速、超低遅延、多数同時接続)を活かしたユースケースを検討・実施するうえで、九産大の学生も参加し、学内の課題解決や研究開発を推進するとともに、グローバルに通用する人材育成にも取り組んでいます。また、ネットワーク応用技術研究所*1をはじめとする会社と連携することで、最新技術や開発中の製品をいち早く取り入れ、ローカル5Gを活用した社会課題の解決や新たなサービスの創造に取り組んでいます。
*1:ネットワーク応用技術研究所:QTnetグループ会社。主な事業は、ソフトウェアの開発/SI、各種ICTサービス、応用研究
<今回紹介したユースケース>
【各ユースケースの概要】
①現実空間と仮想空間をつなぐサイバーフィジカルコンバージョンプラットフォームの活用
(株式会社ネットワーク応用技術研究所)
キャンパス内を4K360度カメラで巡回し、ローカル5Gにより4K映像を共有基盤に伝送および蓄積しつつ、リアルタイムに他拠点に配信する。それと同時に制御機能も実装することで、操縦者とラジコンカーが離れた場所にいてもタイムラグなく反応する遠隔操縦車両の実証。
②感動への挑戦 ローカル5Gで実現する違和感ゼロの「テレ・ダンスセッション」
(九産大 芸術学部 写真・映像メディア学科)
場所を問わない異なる2拠点に居ながら、まるで隣にいるかの様に違和感なく踊れる環境をローカル5Gの高速大容量と超低遅延により実現するシステムの実証。
③映像および運動学データを用いたアーチェリー競技への競技力向上サポート
(九産大 健康・スポーツ科学センター)
スポーツ選手の動作映像をリアルタイムに伝送し運動の姿勢分析を行い、すぐさま競技者に分析結果のフィードバックや離れた場所にいる指導者からの的確な助言を与えることが可能であることをアーチェリー競技で実証。
④自由視点映像のスポーツへの活用~バレーボールの臨場感を届ける~
(九産大 人間科学部 スポーツ健康科学科)
多地点の4K360度カメラで撮影した競技を同時に配信することで視聴者が視点を自由に選びながら観戦することができ、会場と同じ臨場感をもった観戦が可能であることをバレーボールで検証。
【九産大ローカル5G環境の特徴】
①スタンドアローン方式
5Gには、コアネットワークも基地局も5G対応したスタンドアローン(Stand Alone:SA)方式と4Gコアネットワークと5G基地局を連携させたノンスタンドアローン(Non-Stand Alone:NSA)方式の2通りがある。SA方式は、NSA方式に比べて最新の技術で、低遅延、多数同時接続という5Gの能力を最大限に引き出すことができるネットワークとして今後の主流となる。
・SA(Stand Alone)方式
データ通信と制御の両方を5Gネットワーク(基地局・5G制御)のみで行うピュア5G無線アクセスネットワーク構成。
・NSA(Non Stand Alone)方式
データ通信は5Gネットワーク、制御を4Gネットワーク(基地局・4G/5G制御)にて行うハイブリット型の無線アクセスネットワーク構成。
②Sub6帯
ローカル5Gに利用可能な周波数帯は、ミリ波帯(28GHz帯:28.2~29.1GHz)に加え、2020年12月に利用可能となった Sub6帯(4.5GHz帯:4.6~4.9GHz)がある。
Sub6帯を活用することにより、強い直進性かつ障害物の影響を受けやすいミリ波帯に比べて、より広範囲かつ障害物の影や建物内も含めたエリアカバーが期待される。
<ローカル5Gの使用周波数帯域>
※2021年5月19日プレスリリース「九産大とQTnetがローカル5Gネットワークの共同研究を開始」
(九産大HP)https://www.kyusan-u.ac.jp/news/qtnetkyoudoukenkyu20210519/
(QTnet HP)https://www.qtnet.co.jp/info/?page_name=31320160qptu.59/iunm