日本では学校等で「食育」が広く行われています。一方カンボジアでは、大人も子どもも栄養について知る機会がほとんどありません。知識の不足が偏った食生活を招き、子どもの栄養不良の一因になっています。FIDRの調査では、学齢期の子どもの身長・体重が東南アジア諸国の平均より最大で約10%低いことがわかりました。
この現状に対し、カンボジア政府は、2025年から全国の小・中・高校で新たに保健科目の授業を開始し、その中で栄養についても教えることにしました。しかし、まだ栄養士という職業もないカンボジアでは独自に教育の体系を構築することが難しく、教育省は、同国の栄養分野の活動で実績のあるFIDRに協力を要請しました。
2019年から3年をかけて、カリキュラム策定や教科書執筆が完了しました。現在は、現場で教える教員の養成を進めています。他方、全国に先駆けて試験的に栄養教育に取り組む、いわば「お手本」となるモデル校を4校定め、子どもたちへの授業を開始するとともに、トイレや手洗い場の不足など衛生環境の改善も進めています。
オンラインイベント「カンボジアの学校に『栄養教育』を!」について
FIDRカンボジア事務所に駐在する甲斐永里栄養専門家が、栄養教育をはじめるにあたっての数々の困難を語ります。また、長く日本の学校給食に携わられてきた田中延子先生をお招きし、日本が戦後、栄養不良を改善させてきた経験や、「一NGOが一国の制度をゼロから立ち上げる」ことの意義等をお話いただきます。
【日時】2022年12月9日(金)19:00~20:30
【形式】WEBミーティングツールZoomを使用
【参加費】無料
【定員】85名(要申込み・先着順)
【【お申し込み】 下記ボタン「お申し込みフォーム」からお申込みください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf6yORC48F0_hVmPYC7ote0-4Sbhq3HwVyTptLNTYqCeGYPug/viewform
【締切】12月8日(木)午前10時
【登壇者紹介】
FIDR カンボジア事務所
甲斐 永里 栄養専門家
カリフォルニア大学バークレー校栄養科学科(管理栄養士養成課程)卒業。チュラロンコン大学大学院国際健康開発研究科修士課程修了。病院や企業での勤務を経て、大学での食育研究プロジェクトに携わる。
日本の食育の素晴らしさを実感。2017 年に FIDR 入団後はカンボジアに駐在し、栄養教育普及プロジェクトを担当。
株式会社オフィス田中
代表取締役 田中 延子 様
淑徳大学看護栄養学部 客員教授、株式会社オフィス田中 代表取締役。
学校給食の現場、北海道教育委員会を経て、文部科学省の 学校給食調査官を務める。
栄養教諭の指導、学校給食・食 育に関する講演や、海外へ日本の給食制度の紹介を行う。
【問い合わせ先】公益財団法人国際開発救援財団(FIDR)について
1990年に設立された国際協力NGO。子どもの未来を育む「チャイルドケア」と「日本人と日本企業による国際協力の推進」をミッションに掲げ、開発途上国の自立と発展を目的とした支援と国内外の緊急援助を実施しています。 2020年には、国連経済社会理事会の特殊顧問資格を取得。
設立年月日:1990年4月26日 / 所在地:東京都千代田区神田駿河台2-1 OCCビル3F
TEL:03-5282-5211 / E-mail:info@fidr.or.jp / URL:www.fidr.or.jp