ニチレイはこうした現場での担当者の負荷を軽減するため、2019年にチャットボット導入の検討を開始し、各部門のナレッジをFAQ化したり、既存のFAQへのリンクを組み込むことで、段階的にチャットボット化を進めることにしました。そして、プロジェクト開始にあたり、ニチレイの情報戦略部と、IT関連のサービスデスクの実践的知識と経験を持つ日立F&Lのメンバーがチームを結成し、チャットボットをチームで内製する基本的な方針が定められました。
※1 ニチレイと日立製作所の合弁で、2003年に設立されたIT会社。食品・食品物流の情報サービスを強みとし、ニチレイグループのIT構築・運用保守を行なっている。
■TISの「DialogPlay」選定の背景と理由
ニチレイは、課題に対しクイックに解決策を提示・実行できる導入支援のパートナーを探しており、TISがその条件を満たしたこと、また「DialogPlay」のシナリオ型、キーワード型のどちらにも対応している柔軟性、充実した開発用ドキュメントの用意があったことを評価し採用が決まりました。
■導入方法
①「Microsoft 365の汎用FAQ」の活用で、FAQコンテンツ新規作成を軽減し早期立上げ
IT関連のFAQコンテンツは、「DialogPlay」にシナリオとして組み込んで動かすことのできるTISインテックグループの株式会社マイクロメイツが提供する「Microsoft 365の汎用FAQ」を採用し、FAQコンテンツ作成を行いました。FAQはWordで提供され、文言をニチレイグループ内の一般的な表現に言い換えたり、足りないFAQを追加したりとカスタマイズすることができるため、早期にFAQコンテンツを作成でき、製品採用から2か月という短期間でチャットボットの公開を実現しました。
②総務部門のナレッジを集めてシナリオ化し、チャットボットに登録
総務部門のFAQコンテンツは、総務部門のナレッジを収集しシナリオを作成して、チャットボットに登録しました。「DialogPlay」には、本番環境とは別にテスト環境を設けられる機能があり、開発途中のチェック作業においてその機能を使用して現場の担当者に実際にチャットボットを触ってもらうことで、新しい気づきが生まれるケースもありました。
このようにIT関連と総務関連の問い合わせを、チャットボットで自動回答できる体制を整えるとともに、社内ポータルとチャットボットの連携や有人チャットへのエスカレーション、外部からの接続を遮断するセキュリティ強化も、TISの技術サポートのもと機能の実装が進められました。
■導入効果
現在の問合せ数は、テレワーク比率の高まりも後押しし、2020年のチャットボット開始から約2倍の月平均1,000件程度に増えており、社員の活用度が高まっていることがうかがえます。実際に利用した従業員からも、業務の合間に時間を気にせず質問ができる、今さら人に聞きにくいことも気兼ねなく質問できる、特にテレワーク時の問い合わせはチャットボットが便利という声が増えています。
今回、チャットボット開発に参加した総務部門では、現場の生産性向上の効果だけではなく、自部門における意識の変化も生まれています。これまでは、“問い合わせが来たら答える”という受け身の考え方でしたが、あらかじめ聞かれそうな質問と回答を用意しておくというFAQ作成のプロアクティブな発想が他の業務改善でも役立っています。
また、現在は総務部門に続いて人事部門のチャットボット化が進められており、先行した総務部門の開発で開発手順をテンプレート化したことで、他部門への横展開がしやすくなりました。さらに、チャットボットの導入に自発的に声を上げる部門も増えており、ニチレイ全体のDX化にも貢献しています。
株式会社ニチレイ 情報戦略部長 坂口 譲司氏は以下のように述べています。
「グループ内で日常的に「DialogPlay」が使われるようになり、分からないことを人に聞く文化から、自己解決する文化への変革が着実に進んでいると感じます。
今後も、当グループに最適化したチャットボットの環境づくりにご協力いただければと思います。」
本件の詳細は以下URLもご参照ください。
https://www.tis.jp/casestudy/casestudy_139.html
■株式会社ニチレイについて
株式会社ニチレイは、ニチレイグループ全体を統括する持株会社です。各事業会社が加工食品事業、水産・畜産事業、低温物流事業、バイオサイエンス事業を担っており、加工食品事業では冷凍食品メーカー売上ランキング第1位※2、低温物流事業では冷蔵倉庫設備能力国内ランキング1位※3となります。今回導入したシステムなどのデジタル活用による業務革新の推進は、ニチレイグループ新中期経営計画にも掲げた重点施策であり、今後より注力していく分野となります。
※2:㈱食品産業新聞 「冷食日報」2021年8月3日掲載
※3:トラックによる輸送を主とする物流会社を選定し、各社決算短信(2022年5月12日時点)における年度実績数値を基に算出
詳細https://www.nichirei.co.jp/ をご参照ください。
TIS株式会社について(https://www.tis.co.jp/)
TISインテックグループのTISは、金融、産業、公共、流通サービス分野など多様な業種3,000社以上のビジネスパートナーとして、お客様のあらゆる経営課題に向き合い、「成長戦略を支えるためのIT」を提供しています。50年以上にわたり培ってきた業界知識やIT構築力で、日本・ASEAN地域の社会・お客様と共創するITサービスを提供し、豊かな社会の実現を目指しています。
TISインテックグループについて
TISインテックグループは、国内外グループ2万人を超える社員が『ITで、社会の願い叶えよう。』を合言葉に、「金融包摂」「都市集中・地方衰退」「低・脱炭素化」「健康問題」を中心とした様々な社会課題の解決に向けてITサービスを提供しています。デジタル技術を駆使したムーバーとして新たな価値を創造し、人々の幸せと持続可能な豊かな社会の実現に貢献します。
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