2021年度は、JECIE百枝理事長に解説いただきながら、全国のミュゼプラチナム各サロンにて、従業員が抱える月経関連の悩みや実体験をまとめた動画を用いた「生理研修」を実施しました。月経痛やPMSなど月経関連の悩みを抱えていた従業員が生理研修をきっかけに、自発的に婦人科を受診したことで、症状の改善につながったという実体験をもとにしたエピソードをはじめ、専門医による症状の解説や、サロン内でできる月経随伴症状への対策な
どを研修動画で紹介。従業員の基礎的なリテラシー向上や、自分ごと化して考えるきっかけの場を提供しました。
さらに生理研修終了後の一定期間、従業員の行動変化を調べるため「月経に関する調査」を実施。調査の結果、健康意識が高まり月経痛やPMSによる仕事への支障を解決するために、婦人科受診やピル等を服用するというアクションを起こす従業員が増えていることがわかりました。また、正しい知識のある従業員が増えることで、自身の健康状態を客観的に見ると予想されることから、今後は月経に関する悩みが解決し、公私ともにパフォーマンスと、生涯の健康に寄与できることも期待されます。
- 調査結果サマリー
■『月経痛』による仕事への支障者率は2019年から約10%減少、ヘルスリテラシー向上により、婦人科受診などのアクションを起こし、『月経痛』による支障がない従業員も増加!
■ PMSへの理解度が深まり約80%がPMS症状を自覚!自分の症状を客観的にみれる従業員も増加
■ 婦人科を受診する従業員が20%以上に増加!
■ ピル等の服用率が日本平均の約4倍に増加
< 調査方法 >
調査手法:インターネット調査
調査対象者:ミュゼプラチナム女性従業員
人数:1回目:2019年2,489人
2回目:2020年2,595人
3回目:2021年2,424人
調査期間:
1回目:2019年1月21日〜1月31日
2回目:2020年1月22日〜1月31日
3回目:2021年12月2日~12月27日
- 『月経痛』による仕事への支障者率は2019年から約10%減少、ヘルスリテラシー向上により自ら婦人科受診などのアクションを起こし、『月経痛』の支障がない従業員も増加!
『月経時のおなかの痛みは、仕事に支障をきたしているが、我慢しているか』を月経痛有症状者に聞いた調査では、「はい」と回答した人が2019年は「70.8%」、2020年は「58.5%」、2021年は「62.0%」と言う結果に。常に約60~70%の従業員が月経痛による支障を抱えながら過ごしているものの、調査を開始した2019年と比べると約10%減少しました。月経痛の影響で仕事への支障がある従業員に向けては、婦人科受診しやすい環境作りが企業として必要であるとわかりました。
さらに、月経痛、器質性疾患疑い、過多月経に関する質問全項目で「支障がない」と回答した人の割合は、2019年「2.5%」、2020年「6.9%」、2021年「8.5%」と年々増加していることから、生理研修により正しい知識を得ることでヘルスリテラシーが向上し、婦人科受診などのアクションを起こし、月経痛・過多月経による仕事への支障がない従業員が増加しました。
- PMSへの理解度が深まり約80%がPMS症状を自覚!自分の症状を客観的にみれる従業員も増加
2019年の調査では、PMS有症状者が「76.8%」、2020年は「80.2%」、2021年は「77.6%」とPMS症状は過去3年間を通して、約80%という結果になりました。近年はPMSについて知る機会が増えているものの、症状に個人差があることへの理解や、PMS症状改善の方法など、一歩先の知識を共有することが必要であるとわかりました。
また、PMSにより仕事への支障があるかどうかを聞くと、2019年は全体で「75.4%」だったのに対し、2021年は「80.9%」とやや増加していることから、自身の症状を客観的に見ることができる従業員が増えることで、PMS症状の改善傾向があるとも考えられます。
- 婦人科を受診する従業員が20%以上に増加!
月経痛・過多月経・PMS症状を自覚している全有症状者の婦人科受診率は、2020年と比べて約5%増加し、2021年は「25.4%」となりました。全体で見ると、月経痛・過多月経症状により婦人科を受診した従業員は2019年「16.5%」、2020年「17.7%」、2022年「23.1%」と年々増加しており、多くの従業員がしっかり対策をとっていることが伺えます。PMSに関しても、婦人科受診している従業員は2019年「9.7%」、2020年「11.2%」、2021年「15.4%」と徐々に受診者が増えており、この活動を続けている結果があらわれていると考えられます。また、月経痛や過多月経、PMS症状が改善されることでQOLやQOWLが向上することから、パフォーマンスの向上も期待されます。
- ピル等の服用率が日本平均の約4倍へ増加
月経痛・過多月経・PMS症状を自覚していて、病院に受診している従業員へ『この1年間ピルを継続的に服用しているか』を聞いたところ、2019年は178名で全体の「7.5%」、2020年は193名で全体の「7.4%」、2021年は277名が服用しており、全体の「11.4%」の従業員がピル等を服用していることが判明しました。この結果は、生理研修を通じて月経や自分の健康に興味を持ち、婦人科を受診するなどの対策をとる従業員が増えた効果であると考えられます。
さらに日本全体のピル服用率平均「2.9%」(避妊法2019[Contraceptive Use by Method 2019])と比較すると約4倍という結果になりました。
ミュゼプラチナムは引き続きJECIEと連携し、女性の月経関連疾患の改善を目指し、女性特有の健康課題によるアブセンティーズム(※5)やプレゼンティーズム(※4)の改善、リテラシーの向上によって、女性の長期的活躍、さらなる顧客満足を望める未来を作ってまいります。
- 特定非営利活動法人日本子宮内膜症啓発会議(JECIE)について
子宮内膜症という疾患が生む女性自身の不利益と社会的損失を防ぎ、また、月経痛や子宮内膜症以外の女性疾患の早期発見にもつながる産婦人科受診への環境づくりのために設立した団体です。女性関連学会・啓発団体・企業・メディアが一体となって女性の健やかな一生のためにさまざまな手法を交え、月経困難症や子宮内膜症に関する啓発活動を行い、全ての女性が産科・婦人科へ行きやすい環境づくりを目指し活動しています。
▶JECIEについて:http://www.jecie.jp/
- 美容脱毛サロン『ミュゼプラチナム』について
“全ての女性のキレイをお手伝いしたい”との想いを込め、2003年に誕生した、高品質の美容脱毛サロン。多くの女性の支持を受け、現在では全国に 168店舗(※1)を展開しています。
▶ミュゼプラチナムについて:https://musee-pla.com/
(※1) 2022年10月末日時点
(※2)東京商工リサーチ調べ(2022年7月調査時点/美容脱毛売上比率50%以上を専門店と定義)
(※3)東京商工リサーチ調べ(2022年7月調査時点/東京23区・名古屋市・大阪市に出店している主要ブランドを対象として)
(※4)従業員が出社していても、何らかの不調のせいで頭や体が思うように働かず、本来発揮されるべきパフォーマンス(職務遂行能力)が低下している状態のこと
(※5)病気や体調不良などにより従業員が会社をたびたび、あるいは無断で欠勤すること