新工場棟は「人と環境にやさしいスマート工場」をコンセプトに、I・IoTやAIを活用したサイバーフィジカルシステム(CPS)※1を実装することにより生産性の向上、その先の製造における「人が活きる」働き方を目指します。また、地中熱や最新の省エネ設備を導入した再生可能エネルギーの活用による環境負荷低減に取り組んでまいります。
【スマート工場の特徴】
- ①「人にやさしい」工場
テクノロジーと共働することで人はより柔軟に働くことが可能となり、より意志ある仕事へシフトした“人が活きるWell-beingな働き方”を目指します。
○ロボットと人の協業による働く人の安全の確保と効率化
全方位カメラやセンサなどのI・IoTデバイスを活用し、異常行動や危険な作業や場所への侵入および、製造設備との接近を検知し、作業者本人だけでなく、管理者へリアルタイムに通知する集中管理システムの構築を行い、労働災害の予防措置をとっております。また、協働ロボットの導入により、人とロボットのそれぞれの強みを活かすライン構築を進め、徹底的に無駄を排除した作業工程や省力化が可能となりました。
○I・IoTやAIを活用したサイバーフィジカルシステム(CPS)※1を実装し、生産性向上を実現
高品質の製品を安定してより効率的に生産することを目的として、製造プロセスにおけるCPSを活用いたします。センサやカメラによるIoT化から得られたデータと生産計画がCPSで連携することで、作業の効率化及び自動化を実現し人の肉体的負荷を軽減、自動倉庫における在庫管理の最適化、およびリードタイムの短縮を実現します。今後もCPSをさらに拡張させ、お客様のさらなる価値貢献に繋げてまいります。
- ②「環境にやさしい」工場
エネルギー消費量20%削減(既存工場比)を掲げ、 地中熱※2、太陽光などの再生可能エネルギーを積極的に活用し、省エネ機器を導入しました。
- ③海外へ向けた生産拠点として、グローバルGMP準拠の品質保証体制
国内のみならず海外へ向けた生産拠点として、国際的な基準であるPIC/S※3 GMPに準拠した品質保証体制を構築しております。
【「ものづくりのおもしろさ」を楽しく学べる見学通路を設置】
主に地域の小学生など、親子向けの見学通路を設置。製品ができるまでの「ものづくりのおもしろさ」を楽しく学びながら、工場でのお仕事に触れていただけます。ご家族で快適に過ごせるよう、小さなお子さま向けのキッズトイレやおむつ替えコーナーなども設置しています。今後ロート社員による大人も子供も学べる体験型ワークショップとして、楽しくヘルスサイエンスに触れる機会の提供を予定しています。
※1:サイバーフィジカルシステム(CPS)とは
IoTやセンサ技術を活用して人・設備・プロセスの可視化を行い、データ化したものを仮想空間で蓄積し、AI、ディープラーニング等で作業・動線・ライン配置・負荷シミュレーションを行うことで、実際のプロセスの最適化を図るシステム
※2:地中熱の利用とは、夏場は外気温度よりも地中温度が低く、冬場は外気温度よりも地中温度が高いことから、この温度差を利用して効率的な空調運転(冷暖房)を可能とするシステムのこと
※3:Pharmaceutical Inspection Convention and Pharmaceutical Inspection Co-operation Scheme(医薬品査察協定及び医薬品査察共同スキーム)
名称 | 上野テクノセンターC棟 |
所在地 | 三重県伊賀市ゆめが丘7-4-1(上野テクノセンター敷地内) |
建築概要 | 敷地面積:27,498.27㎡ 延床面積: 19,600㎡ |
階数 | 4階 |
生産品目 | 肌ラボ、スキンアクア、メンソレータムAD、メンソレータムメディクイック、メンソレータムエクシブ、リグロなどスキンケア製品(一般用医薬品、医薬部外品、化粧品) |
投資額 | 85億円 |
着工時期 | 2020年11月 |
稼働開始 | 2022年9月 |
【上野テクノセンターについて】
1999年に操業が始まり、今年で20年が経過した上野テクノセンターでは、ロート製薬の主力商品であるVロートプレミアムなどの目薬をはじめとする一般用医薬品や、肌ラボ極潤ヒアルロン液などのスキンケア製品を生産、品質管理・物流の拠点となるマザー工場として機能しています。