ハコベルとTBM、「2022年度ロジスティクス大賞 特別賞」を受賞

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ハコベル株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長CEO:狭間健志 以下「ハコベル」)と株式会社TBM(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:山﨑敦義、以下「TBM」)は、公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会(以下「JILS」)より「2022年度ロジスティクス大賞 特別賞」を受賞したことをお知らせします。

 

 

  • 取り組み内容と背景

2021年5月に改正地球温暖化対策推進法が可決・成立、2022年4月に施行されたことを機に、企業の温室効果ガス排出量について事業所単位での公表、脱炭素の努力を「見える化」することが義務化*1されました。また、企業の温室効果ガス排出量情報に関してオープンデータ化、温室効果ガス排出量報告を原則デジタル化することについても要請が開始されています。

同時に、東京証券取引所プライム上場企業に関しては2021年6月改訂のコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)で、主要国金融当局の「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言に準拠した開示が求められるようになり、多くの企業がCO₂排出量の可視化に迫られている現状があります。

このような動きを背景に、2021年よりハコベルとTBMは共同でTBM社の製品である「LIMEX」の国内輸送プロセスで発生するCO₂間接排出量(サプライチェーン排出量およびScope3*2)の可視化プロジェクトを推進してまいりました。スキームとしては、TBMはCO2排出量の抑制を視野に入れた可視化の要件定義、算定に必要なデータ整理・運用設計などを行い、ハコベルは物流プラットフォーム「ハコベルコネクト」を活用したデータ収集・ツール開発を行っています。そして本取り組みを論文として提出した結果、公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会によって主催されている「ロジスティクス大賞」の特別賞を受賞いたしました。

本受賞では、リアルタイムにCO₂排出量が把握できる点のみならず、ハコベルコネクトによる運送会社との連携から発生するデータを活用することで、追加業務がなく可視化が進められている点と、見える化によって排出量削減が促進される可能性の2点が評価されています。

この取り組みを通じて、経済産業省による「カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」で14の重点分野の1つに挙げられている「CO₂の間接排出量(Scope3)の可視化」を強く推進し、物流業界の持続可能な成長を環境面からも支援してまいります。

*1 地球温暖化対策推進法に基づき、2006年4月1日から、温室効果ガスを多量に排出する者(特定排出者)は、自らの温室効果ガスの排出量を算定し、国に報告することが義務付けられている。また、国は報告された情報を集計し、公表することとされている。

出典:環境省ホームページ「温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度」
https://ghg-santeikohyo.env.go.jp/about

*2 サプライチェーン排出量とは:事業者自らの排出だけでなく、事業活動に関係するあらゆる排出を合計した排出量を指す。つまり、原材料調達・製造・物流・販売・廃棄など、一連の流れ全体から発生する温室効果ガス排出量のこと。

サプライチェーン排出量=Scope1排出量+Scope2排出量+Scope3排出量。
Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope2 : 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
Scope3 : Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)

出典:環境省ホームページ「サプライチェーン排出量算定をはじめる方へ」
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/supply_chain.html

  • 受賞概要

受賞部門:ロジスティクス大賞 特別賞
対象企業:ハコベル株式会社/株式会社TBM 
テーマ:CO₂の間接排出量(Scope3)のリアルタイム可視化システムの実現~業務負荷をかけずにCO₂排出量を可視化するための取り組み~
受賞事由
ESG経営やSDGsなど、環境や社会、サステイナビリティに配慮した事業活動への要求はますます高まり、サプライチェーン全体でのCO₂排出量削減の実現に向けた個別具体的な対応が求められている。一方で、CO₂排出量削減の実現に際しては、排出量そのものの把握、可視化すらままならない状態であることも少なくない。このような背景の下、本取り組みでは自社のみならずパートナー企業の間接排出量を含めたサプライチェーン全体でのCO₂排出量削減を促進すべく、各社の配車管理システム上のデータを活用し、ダッシュボード形式で可視化を実現している。リアルタイムに状況が把握できるだけでなく、従来やりとりされるデータの活用により、追加業務なしに実現している点、さらには状況の可視化、共有化に伴い、さらなる排出量削減が促進されるなど、成果の波及、拡大可能性が評価された。

  • 9月22日授賞式の様子

  • 株式会社TBM 代表取締役CEO 山﨑 敦義 コメント

この度は栄えある賞をいただき、大変光栄に存じます。当社は、地球規模の社会課題解決への貢献を目指し、創業から取り組む環境配慮型の新素材「LIMEX」の開発・生産や、近年注力をしている資源循環促進の事業を推進しています。2021 年 8 月、創業 10 周年を機に「TBM Pledge 2030」として「2030 年までにカーボンネガティブを実現する」という野心的な目標を掲げました。事業を推進していく中で、温室効果ガスの排出量を重要課題と捉え、今回のハコベル様との取り組みに至りました。今回、輸送におけるCO₂排出量のリアルタイムでの可視化が実現したことは、バリューチェーン全体のCO₂排出量削減に向けた環境整備に大きく寄与する取り組みであると考えています。今後も脱炭素社会の実現に向けた活動を促進し、「サステナビリティ革命」の実現を目指して参ります。

  • ハコベル株式会社 代表取締役社長CEO 狭間 健志 コメント

物流プラットフォーム「ハコベル」は、輸配送のトータルソリューションを目的とし、ラストマイルから都市間の幹線輸送までを支えるマッチング事業と、荷主企業に対して配送計画最適化・管理業務を行うためのソフトウエアを提供するSaaS事業を展開しています。荷主企業様に「ハコベルコネクト」で物流業務管理をしていただく中で、多くの企業が脱炭素に取り組む必要性を強く感じている一方で、CO₂の排出量把握に苦慮されていることに気がつきました。その課題発見から生まれたのが「CO₂算定支援サービス」です。今回、本機能をいち早くご利用いただいていた株式会社TBM様との取り組みが評価されたことを大変嬉しく感じております。気候変動問題に対する世界の認識はここ数年で急速に変わり、企業行動を大きく変えなくてはならない局面を迎えています。ハコベルは、サステイナブルな社会に寄与するグリーン物流実現に向け、今後も努力を続けてまいります。

  • ロジスティクス大賞について

公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会が主催する、ロジスティクス推進に向けて優れた実績をあげた企業を表彰する賞。物流領域の社会的浸透とロジスティクス部門関係者の意識高揚を図ることを目的に創設され、今回で第39回を迎える。

  • 「ハコベルコネクトCO₂算定支援サービス」について

企業が脱酸素に取り組む上で重要となるScope3排出量の把握に向けて、ハコベルコネクト利用企業向けに「CO₂算定支援サービス」を提供しています。荷主企業にとって、Scope3の排出量の把握はサプライヤーなどデータ収集先が幅広く、正確性の担保が難しいと言われています。また、各社のデータ形式がそろっていなかったり、Excelでのレポート集計・可視化の工数が重く、リアルタイムにデータを活用できていない点が課題視されてきました。そこでハコベルでは、国土交通省の基準を元に排出量を自動で計算し、視認性が高いダッシュボードによるリアルタイムでの排出量把握を可能とするシステムを開発し、2021年より提供を開始しています。

(ダッシュボードイメージ)(ダッシュボードイメージ)

サービス詳細ページ:https://raksulinc.notion.site/CO₂-d85e992dd8a1457abde37970d7bc49e5

  • 株式会社TBMについて

 

・ LIMEX(ライメックス)
LIMEXは、炭酸カルシウムなどの無機物を50%以上含む、無機フィラー分散系の複合素材です(※)。主原料が石灰石であるため、プラスチックや紙の代替製品を製造する際に使用する石油や水や森林資源等、枯渇リスクの高い資源の保全に貢献することが可能です。すでに8,000以上の企業や自治体等にて採用されており、世界40カ国以上で特許を取得、COPやG20などの国際会議で紹介されました。
※一般社団法人日本規格協会が発行するJSA規格では「無機成分を主成分とする無機・有機複合マテリアル(JSA-S1008)」と定義されています。

・株式会社TBM
代表取締役 CEO :山﨑敦義
本社 :東京都千代田区有楽町1-2-2 東宝日比谷ビル15F
設立 :2011 年
資本金 : 234 億 2,993 万円(資本準備金含む)/ 2021 年 7 月時点
事業内容 :環境配慮型の素材開発及び製品の製造、販売、資源循環を促進する事業等
URL :https://tb-m.com/

 

  • ハコベルについて

・社名:ハコベル株式会社
設立:2022年8月1日
株主構成:セイノーホールディングス株式会社50.1%、ラクスル株式会社49.9%
代表取締役社長CEO:狭間 健志
所在地:東京都品川区上大崎二丁目24番9号
事業内容:物流のプラットフォーム「ハコベル」の運営URL:https://www.hacobell.com/

・サービス内容:

物流のプラットフォーム「ハコベル」は、個人や企業への配送を行うラストワンマイルから、都市間の輸送などを行う幹線輸送まで全国の物流を支えるサービスを展開しています。
軽貨物を対象とした「ハコベルカーゴ」では、ドライバーの非稼動時間を有効活用し、荷主とドライバーを直接マッチングさせることで、高品質かつ低価格な配送の仕組みを提供しています。サービス利用後には利用者がドライバーを評価する仕組みを設け、サービス品質向上を実現しています。一般貨物を対象とした「ハコベルコネクト」は荷主と全国の運送会社を繋ぎ、WEBアプリケーション上で自社の車両、協力会社の車両を管理し、配車、請求管理を行う機能と、ハコベル配車センターへの配車依頼を行う機能を備えています。物流コストを削減させ、DXを推進する企業の支援に取り組んでいます。

サービスサイトhttps://www.hacobell.com/solution
利用に関するお問い合わせhttps://form.run/@connect-en-contact

  • ラクスルグループについて

「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」という企業ビジョンのもと、印刷、広告や物流といったデジタル化が進んでいない伝統的な産業にインターネットを持ち込み、産業構造を変えることで、より良い世界にすることを目指します。現在ではネット印刷・集客支援のプラットフォーム「ラクスル」、マーケティングプラットフォームを提供するノバセル株式会社、物流プラットフォームのサービスを提供するハコベル株式会社、コーポレートITのサービスを提供するジョーシス株式会社を運営しております。(URL:https://corp.raksul.com/

 【ラクスルが取り組む”産業DX”】
私たちは、シェアリングプラットフォームによる取引の効率化、ソフトウェア(SaaS)による業務の効率化、それらに基づく付加価値サービスの3つを統合したプラットフォームの構築により、バーティカルに各産業の課題を解決し生産性・収益性の高い業界に変革していきます。ラクスル株式会社は産業変革者として、デジタル化が進んでいない伝統的な産業に対して、統合バーティカルプラットフォームを通じてDXを推進し、世界をより良いものにしていきます。

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