武力紛争、戦闘や情勢不安、気候変動、避難民の増加、コロナ禍、ウクライナ紛争による食料危機――これらの要素が複雑に絡み合い、アフリカでの人道ニーズは高まり続けています。
紛争地で人道支援を展開する赤十字国際委員会(ICRC)は、学術界や民間セクターと連携することで、安全かつ効果的に援助が行えるようイノベーション分野に力を入れています。一例として、再生可能エネルギーを使って電力を供給するマイクログリッドをケニアの物流拠点に設置したり、低価格で良品質な義肢装具を開発したりしています。
特に、紛争後も人々を苦しめる、地雷や不発弾による“武器汚染”の問題解決は喫緊の課題の一つです。ICRCは現在、早稲田大学や日本電気株式会社(NEC)と協定を締結して、リモートセンシング・AIを活用した地雷探知のためのソリューションの構築に取り組んでいます。現在NECと共同で進めている実証実験では、国際機関やNGOなどが有する膨大な情報をAIに学習させることで、地雷が敷設されている可能性がある場所を高精度に推測する技術の検証を行っています。
TICADのサイドイベントである本セミナーでは、地雷対策に焦点を当てて、アフリカで人道支援を実施する上での課題や、産学連携によるイノベーションの実績について意見を交換。成功例や教訓などを踏まえて、新たなソリューションを創造する今後の取り組みを展望します。
セミナー概要
- 日時: 2022年9月21日(水) 18:30-20:00
- 開催形態: オンライン(Zoom)
- 参加申し込み(事前登録制):https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_N9ErEMX8TY2s3rZQfsRgow
- 言語: 日本語、英語(同時通訳付)
- 主催: 赤十字国際委員会(ICRC)、日本電気株式会社(NEC)
- 問い合わせ先: tok_tokyo_Mailbox@icrc.org(ICRC 駐日代表部)
プログラム
- 開会挨拶/外務省
- 基調講演「アフリカの人道ニーズと、問題解決に向けた産学連携の取り組み」/ICRC
- パネルディスカッション:武器汚染と地雷対策におけるイノベーション
- 質疑応答
- 閉会挨拶/NEC
登壇者(※敬称略)
[開会挨拶]
・日下部 英紀(外務省 外務事務官 大臣官房審議官兼国際協力局、経済局)
[基調講演]
・パトリック・ユーセフ(ICRCアフリカ地域局長)
[パネルディスカッション]
モデレーター:
・坂根 宏治(国際協力機構 [JICA] スーダン事務所長)
パネリスト:
・澤田 秀之(早稲田大学 理工学術院 先進理工学部 応用物理学科 教授)
・ナン・バザード(ICRC イノベーション部門責任者)
・エルノー・コヴァーチェ(NEC欧州研究所)
・クリストファー・ケイヨーシュ(アフリカ連合)
[閉会挨拶]
・室岡 光浩(NEC執行役員 兼 CCO)