7回目の今年は9月20日(火)~22日(木)の3日連続で講師をお招きし、約1時間半、女子部・男子部(中等科・高等科)の全生徒約450人が、学び考えます。生徒が企画して講師をお招きし、当日の司会も務めます。
■自由学園の「平和週間」とは
「平和週間」では、世界や日本の社会で起こっている様々な争いや暴力、差別や偏見、ヘイトスピーチ等、「平和」を妨げている事実や問題について、その当事者や深く関わっている方々のお話を伺って学ぶことをしてきました。その上で、どうすれば多様性を重んじ、誰もが安心して過ごせる「平和」な社会になれるのかを考える機会としています。
・生徒が企画し運営する
「平和週間」は、毎年生徒か企画を立てて、各界の方に講師を依頼することから始めます。今年の係は中2から高3までの希望者19名。教師はサポートをしますが、基本的には生徒たちに任せており、当日は、係の生徒が司会も務めます。
・考えたことを、最も身近な社会である学校や寮の生活で実践する
自由学園は「生徒が創る学校」です。中・高等科では、学校や寮の生活の運営の多くを生徒が自治し、生徒同士で責任を持って進めています。「平和週間」の係の生徒たちは、「平和」になるためには何が大切か、人と人との関わり方はどうあったらよいかについてよく考え、日々の生活の中で活かしたい。そして、自分たちの過ごしている学校や寮という社会も、より平和な社会となるよう実践していきたいと考えています。
■2022年度「平和週間」について
今年は3名の方を講師としてお招きしてお話を伺い、質疑応答をする予定です。
3日間とも午前中の授業2単位分の時間を当てて、自由学園記念講堂で開催します。
以下はお招きする講師と、この方のお話を伺いたいと推薦した生徒の想いです。
第1日目 9月20日(火)
講師:岡田 斗司夫氏
株式会社オタキング代表取締役/プロデューサー/評論家/文筆家他
中3女子生徒が推薦
「小4の頃から岡田さんが発信されている動画などを見てきた。様々なことに興味を持たれていて視野が広くとてもおもしろい。俯瞰的に物事をとらえて考えていらっしゃる方と思い、このような方が「平和」について、どのようなことを考えていらっしゃるのか、ぜひ聞いてみたいと思った。」
第2日目 9月21日(水)
講師:上野 千鶴子氏
東京大学名誉教授/社会学者/認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長
この日は、上野氏と生徒数名によるパネルディスカッションを行う予定です。
高2男子生徒が推薦
「社会に対して生きづらさを感じている人は多い、学生である僕もその1人だ。では、それはなぜだろう?
上野千鶴子さんは社会に潜む「らしさ」という呪縛に生きづらさの原因をみる。学生らしさ、日本人らしさ、男らしさ、女らしさ、、、上野さんは多岐に渡る「らしさ」を研究の対象として分析し、そして戦ってきた。3年程前、上野さんの本(『スカートの下の劇場』)を初読してその研究の巧緻さ、力強さに衝撃をうけ、それ以来、ぜひ平和週間にお招きしたいと考えていた。今回、上野さんが壇上で何を話されるのかについて、廉い想像をするならそれは愚昧だろう。ただ、上野さんの本に初めて触れた時と同じ衝撃が多くの人に伝播したとすれば、この講演はとても平和週間「らしさ」には収まり切らない内容になると思う。」
第3日目 9月22日(木)
講師:土屋 麻由美氏
特定非営利活動法人ピッコラーレ理事/助産師(1997年中野区で麻の実助産所開業)
自由学園の「いのちと性の学び」の一貫教育にご協力いただいている。
高3女子生徒が推薦
「妊娠に関わる様々な相談に応じているピッコラーレを訪問した。家族や周囲の理解者にめぐまれて出産・子育てのできる人が多い一方で、様々な要因から妊娠を誰にも相談できずに孤独な中で困っている女性が少なくないことを知った。赤ちゃんや女性の命が失われる場合もある。土屋さんのお話を伺って、社会の様々な偏見や差別を受けて一人で苦しんでいる人のいる実情を知り、皆で理解を深めたいと思った。もしかすると私たちの中にも、将来妊娠をした時、またパートナーが妊娠をした時に、こまったり、悩んだりする人がいないとは言い切れない。その時に、相手の立場にたって一緒に考えたり、助け合えるような仲間であり、社会であるようにしていきたい。」
■共生社会への取り組みのひとつに
自由学園は、現在は中高の段階のみ別学ですが、2024年度からの男女共学を目指して学校改革を進めています。互いを尊重しながら協力し合う共生社会の学校の実現を願っており、「共生学」の授業も推進中です。この「平和週間」の活動も、ともに「共生社会」について考える機会となることを願っています。
■学校法人自由学園 https://www.jiyu.ac.jp
1921年、日本で初の女性新聞記者となった羽仁もと子と、その夫でジャーナリストの羽仁吉一が創立。
2021年4月に創立100周年を迎えた。同月に現在の自由学園の生徒の活動等を取材した書籍『本物をまなぶ学校 自由学園』が婦人之友社による企画編集で刊行された。12月には『自由学園一〇〇年史』を刊行。デジタルアーカイブ『自由学園100年+』も公開している。
設置校:幼児生活団幼稚園 初等部(小学校) 男子部・女子部(中等科・高等科) 最高学部(大学部)
■本プレスリリースに関する連絡先
自由学園広報本部
〒203-8521 東京都東久留米市学園町1-8-15
E-mail kh@jiyu.ac.jp