おととしの「2050年カーボンニュートラル」宣言に端を発し、ウクライナ情勢の緊迫化も相まって、エネルギー・環境分野では「脱炭素」「再生可能エネルギー主力電源化」「安定確保」に官民問わず関心が高まっております。再エネの普及拡大は、地域分散型の発電方法への転換を促し、自治体にとっては「再エネを活用したまちづくり」など地方創生に繋げる取り組みを推進する新たな契機となっています。特に本年4月には環境省による「脱炭素先行地域」の認定がスタートし、全国各地で「脱炭素の取り組みによる地域課題の解決」が図られることが今後ますます期待されており、民間事業者にとっても大きなビジネスチャンスが生まれています。
一方で、再エネの積極的な導入のためには、「安定供給」「系統連系」「地域住民との調整や合意形成」などの課題を解決することが不可欠です。再エネ事業の円滑なスタートと実施のために、これらの課題解決に関する十分な予備知識と戦略を持つことが、自治体、民間事業者の双方に求められています。
そこで本セミナーでは、「2050年カーボンニュートラル実現に向けた再エネ導入加速化と地方創生」をテーマに有識者、省庁の実務担当者、地方自治体関係者、民間事業者による講演、事例紹介およびQAセッションを通じて、再エネ導入による地方創生の可能性及び課題とその解決策に関する視座、さらには民間事業者が自治体と連携して再エネ事業を計画、推進する際に重視するべきポイントを紹介するため、本セミナーを開催する運びとなりました。
まず、弊協会代表理事の増田寛也より「分散型エネルギーシステムを核とした地方創生の取り組み」について基調講演を行います。続いて、環境省大臣官房地域政策課 課長補佐 三田裕信 氏より「地域に裨益する再生可能エネルギー導入を後押しする環境省の諸施策」について、東京工業大学 環境・社会理工学院 融合理工学系 准教授 錦澤滋雄 氏より「再生可能エネルギーの導入拡大に向けた地域合意形成のあり方」についてご講演いただきます。さらに、岩手県軽米町役場再生可能エネルギー推進室 主任主査(再任用) 福田浩司 氏より「再エネを生かした町づくり」について、智頭石油株式会社(本社:鳥取県)グリーンステーション課 課長 米井康史 氏より「木質バイオマス熱利用による地域貢献」について、それぞれの地域での実例をご紹介いただきます。その後のQAセッションでは、聴講者からの質問を頂戴しながら「2050年カーボンニュートラル実現に向けた再エネ導入加速化と地方創生を地域でいかに実現するべきか」をテーマに、登壇者全員で議論を行います。
■セミナー概要
主催:一般社団法人 日本パブリックアフェアーズ協会
日時:2022年9月5日(月)18:00~20:00
形式:Zoomによるオンライン開催 (詳細はお申込み後にご案内します。)
定員:100名 (定員を超えた場合は抽選となります。)
会費:無料
申込:
①Peatix(https://jpaa220905.peatix.com)
②メール(会社名・参加者全員の氏名・メールアドレスをinfo@j-paa.jpまでご連絡ください。)
■プログラム
18:00 – 18:05 日本パブリックアフェアーズ協会 概要説明
理事 酒井 光郎
18:05 – 18:25 基調講演「分散型エネルギーシステムを核とした地方創生の取り組み」
日本パブリックアフェアーズ協会 代表理事 増田寛也
18:25 – 18:40 講演①「地域に裨益する再生可能エネルギー導入を後押しする環境省の諸施策」
環境省大臣官房地域政策課 課長補佐 三田裕信 氏
18:40 – 18:55 講演②「再生可能エネルギーの導入拡大に向けた地域合意形成のあり方」
東京工業大学 環境・社会理工学院 融合理工学系 准教授 錦澤滋雄 氏
18:55 – 19:05 事例紹介①「再エネを生かした町づくり」
岩手県軽米町役場再生可能エネルギー推進室 主任主査(再任用) 福田浩司 氏
19:05 – 19:15 事例紹介②「木質バイオマス熱利用による地域貢献」
智頭石油株式会社 グリーンステーション課 課長 米井康史 氏
19:15 – 19:45 QAセッション
「2050年カーボンニュートラル実現に向けた再エネ導入加速化と地方創生を地域でいかに実現するべきか」
⮚モデレーター:
日本パブリックアフェアーズ協会理事 岩本 隆
⮚登壇予定者:
-日本パブリックアフェアーズ協会 代表理事 増田寛也
-環境省大臣官房地域政策課 課長補佐 三田裕信 氏
-東京工業大学 環境・社会理工学院 融合理工学系 准教授 錦澤滋雄 氏
-岩手県軽米町役場再生可能エネルギー推進室 主任主査(再任用)福田浩司 氏
-智頭石油株式会社 グリーンステーション課 課長 米井康史 氏
■講演者紹介
増田 寛也(日本パブリックアフェアーズ協会代表理事/元総務大臣/日本郵政取締役兼代表執行役社長)
東京大法学部卒業後、1977年建設省(現国土交通省)入省。千葉県警交通指導課長、茨城県鉄道交通課長などを経て94年建設経済局建設業課紛争調整官で退官。95年岩手県知事に全国最年少の43歳で当選、3期12年務めた。2007年8月の安倍改造内閣で総務大臣に就任。福田内閣、福田改造内閣でも留任。09年4月から東京大学公共政策大学院客員教授、野村総合研究所顧問に就任。19年12月末にて野村総合研究所顧問を退任。20年1月から現職。
三田 裕信 氏(環境省大臣官房地域政策課 課長補佐)
2008 年環境省入省。地球温暖化対策、原子力規制、福島復興などの各種施策に従事。2019 年福島地方環境事務所 中間貯蔵総括課長。2021 年から地域脱炭素施策に従事。
錦澤 滋雄 氏(東京工業大学 環境・社会理工学院 融合理工学系 准教授)
東京工業大学工学部社会工学科卒業、同大学院博士課程修了(博士、工学)。2005年滋賀県立大学環境科学部講師などを経て、2009年より現職。専門は、環境政策・計画、環境アセスメント、再生可能エネルギーの合意形成問題。これまで環境省/再生可能エネルギーの適正な導入に向けた環境影響評価のあり方に関する検討会委員、環境省/開発事業者と地域の連携による地域循環共生圏構築推進に係る検討会座長などを歴任し、現在は北海道せたな町再生可能エネルギー協議会副会長、環境省/洋上風力発電に係る環境アセスメント技術研究会委員等を務めている。
福田 浩司 氏(岩手県軽米町役場再生可能エネルギー推進室 主任主査(再任用))
岩手県立軽米高校卒。昭和54年軽米町役場入り。(その後、日本大学通信教育部法学部卒)。再生可能エネルギー推進室長などを経て、現在に至る。
米井 康史 氏(智頭石油株式会社 グリーンステーション課 課長)
1986年 鳥取大学工学研究科 修士課程卒業。(間伐材等を熱分解してガス化し、気体燃料とする基礎研究に従事)1992~2014年ダイキン工業㈱にて、フッ素塗料の研究開発、マーケッティング、省エネ商材の拡販などに従事。2013~2014年 一新塾、大阪地域科に入塾し、智頭町の間伐材を用いたバイオエタノール製造事業を立案し、卒塾。同年、まちエネ大学滋賀スクールに入学し、滋賀県内の再生可能エネルギー事業立ち上げテーマに従事。2014年~智頭石油株式会社にグリーンステーション課を設立し、化石燃料に替わり、地域にあるカーボンニュートラルな木質燃料を普及させる新規事業の責任者として就任。脱炭素を目指して木質燃料を活用するNEDO FS事業、実証事業などを進め、現在に至る。
■モデレーター
岩本 隆(慶應義塾大学大学院経営管理研究科特任教授、日本パブリックアフェアーズ協会理事)
東京大学工学部金属工学科卒業。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)工学・応用科学研究科材料学・材料工学専攻Ph.D.。日本モトローラ株式会社、日本ルーセント・テクノロジー株式会社、ノキア・ジャパン株式会社、株式会社ドリームインキュベータ(DI)を経て、2012年より慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)特任教授。外資系グローバル企業での最先端技術の研究開発や研究開発組織のマネジメントの経験を活かし、DIでは、技術系企業に対する「技術」と「戦略」とを融合させた経営コンサルティングや、「技術」・「戦略」・「政策」の融合による産業プロデュースなど、戦略コンサルティング業界における新領域を開拓。KBSでは、「産業プロデュース論」を専門領域として、新産業創出に関わる研究を実施。