株式会社ロジック・アンド・デザイン(本社:東京都新宿区、代表取締役:佐藤公明、以下「当社」)は、去る7月31日(金)に、「“より視える化”セミナー2026 ~Build into the future with LISr~」を開催し、世界初となるISP内蔵画像鮮明化SoC「LISr-RISA®」(リサ・リサ)を発表いたしました。
当社が開発した画像鮮明化技術「LISr®」(リサ)は、AIのように色や形を想像で描くのではなく、暗所や逆光、悪天候など視認性の低い環境でも、わずかにレンズを通った微弱な光の情報を、独自のアルゴリズムで正確に引き出し、リアルタイムで鮮明化を行います。つまり″事実“を瞬時に視える化する技術です。


そして本年、世界初のISP内蔵画像鮮明化SoC「LISr–RISA®」(リサ・リサ)が完成しました。「LISr-RISA®」は、15mm角という小型チップであることで、ドローン、ロボット、車載機器、医療機器などへの実装の可能性が大きく広がります。セミナーでは、「LISr-RISA®」が社会の課題解決にどのようなインパクトを与えるのかについて、具体的な事例を交えて紹介しました。

《セミナー内容》
■技術紹介(株式会社ロジック・アンド・デザイン)
①LISr-RISA®が画像の価値を変える(ロジック・アンド・デザイン 北川 彰)
映像技術はこの20年で4K・8Kへと進化し、画素数や取得できる情報量は飛躍的に増えました。しかし、私たちが本当に重要だと考えているのは、画質の向上そのものではありません。「人が見える」「異常がわかる」「欠陥が見つかる」といった、価値ある情報を画像から引き出すこと——これが私たちの技術の本質です。その応用範囲は、幅広い分野に及びます。
・インフラ監視(橋・トンネル・港湾・鉄道):夜間や悪天候で見えにくい腐食・漏水・変形などの異常の早期発見を支援し、遠隔監視や省人化にも貢献します。
・FA(ファクトリーオートメーション):ピンホールやクラック(剥離)など、目視でも確認しづらい微細な欠陥まで可視化します。AIに入力する画像品質を改善し、検査精度を向上させます。
・モビリティ:夜間やヘッドライトの逆光、雨天などの環境でも、歩行者や障害物、道路境界の認識を安定させます。ドライバー監視での眠気検知精度の向上にもつながります。
・防衛:識別できる距離を延伸し、夜間監視能力を強化します。また、ドローンの重量をそれほど増やさないため、飛行性能を保ったままの画像鮮明化が可能です。
・医療:内視鏡・腹腔鏡手術での視認性を高め、AI診断の精度向上や医師の疲労軽減にも寄与します。
②画像鮮明化ASSP LISr-RISA®の概要 (ロジック・アンド・デザイン 小林 正浩)
想像で描くのではなく、元々そこにあった情報を引き出すだけ——これが私たちの技術の核心です。画像を2次元の数値データとして捉え、画素ごとの周辺情報からコントラストを最適化する。AIによる予測や補完、外部情報の追加は一切行いません。
この処理にかかる時間は、わずか0.004秒。これは、画像の走査線が流れるわずかな時間の中で、画素ごとにその周辺のヒストグラム分布から最適な輝度を算出する当社の特許技術によって可能となりました。
これまで、この処理を行うにはビデオデッキ大の専用装置が必要でした。しかし今回、15mm角の半導体チップに実装することができました。カメラをはじめ、さまざまな機器に搭載できる可能性が広がり、低コスト化・省電力化も同時に実現しています。さらに、センサー直下で処理できるようになったのも、小型化ならではの利点です。従来のようにケーブルを介して伝送してから鮮明化するのではなく、センサー直下で鮮明化してから伝送することで、伝送時に生じる画質や情報量の低下を抑え、より高品位な映像を届けられるようになりました。
チップには、ノイズ低減、鮮鋭化(解像度の復元)、色彩補正、オートフォーカスなど鮮明化以外の機能も一つのチップに搭載しています。
③LISr-RISA®チップ仕様と開発関連(ロジック・アンド・デザイン 中谷 誠)
「LISr-RISA®」は、画像鮮明化技術の小型化・省電力化・ローコスト化実現のために開発された15mm角のチップです。評価用基板やカメラモジュール、制御アプリもすでに用意しており、デモ機では標準・夜間・逆光・悪天候、劣化画像など、用途に応じた設定をすぐに試していただけます。提供形態も、チップ単体からモジュール、FPGA向けIP、お客様のシステムの受託開発まで幅広く対応しています。評価から量産移行まで、一貫したサポート体制を整えてまいります。
■活用事例紹介
セミナーには、いち早く「LISr-RISA®」の実用化に取り組んできたパートナー企業3社が登壇。それぞれの現場から見えてきた“この技術のすごさ”を語りました。
①「LISr-RISA®搭載カメラの試作」─AI時代に必要になると考える画像鮮明化カメラ─
(株式会社ユピテル 代表取締役社長 高橋 圭三様)
私たちユピテルは、この技術と出会う以前から、暗視カメラを搭載したドライブレコーダーの開発を手がけてきました。約2年前、佐藤社長から「LISr-RISA®」の構想を伺い、これは自社の技術の“次の一手”になると直感しました。
以来、試作機による検証を重ね、「LISr®」が持つ可能性の幅広さを、様々な条件下の映像で実証してきました。



このカメラを世界中に広め、世界中に届けたいと思っています。現在は4K・30fps処理に対応する次期プロトタイプを開発中です。
②産業用ドローンにおける画像鮮明化技術の活用事例(双葉電子工業株式会社 ロボティクスソリューション事業センター UAV開発部 部長 植村 千尋様)
双葉電子工業は、世代によっては『ラジコンの双葉』としてご存知かもしれません。ホビー用ラジコンの技術を発展させ、現在は法人向けの産業用ドローンを開発・製造しています。中型機は耐風性15m/s(実力値20m/s)、1時間80〜100mmの豪雨にも耐える防水性を備えています。一昨年の台風では、自社工場が浸水するほどの豪雨の中でも、ドローンを飛ばしていました。
ドローンには、どんなカメラを載せるかで、見えるものは全く異なります。カメラの役割は大きく2つあります。1つは点検・監視そのものが目的のカメラです。天候によって撮影条件が変わってしまうという課題に、「LISr®」が応えてくれます。もう1つは、法律で定められた「目視外飛行」の承認要件——機体のカメラで周囲を常時監視できること——を満たすためのカメラです。これまでは高価なサーマルカメラを積む以外に選択肢がありませんでしたがより低コストでこの要件をクリアできる可能性があります。

今後は産業用ドローンへの実装を進め、さらなる産業用途への展開を進めていきます。
③海洋調査における画像鮮明化への期待と展望(株式会社水龍堂 代表取締役 佐藤 友亮様)
水龍堂は、2022年3月に設立したばかりの若い会社で、水中ロボット(ROV/AUV)による海洋調査機器の開発を手がけています。その背景には、深刻な人手不足があります。全国の潜水士は約3,000人ほどとされ、建設系の技術者が約40万人ほどいるのと比べても、その差は歴然です。40〜50年間一度も点検されていないダムもありました。
水中では、光が濁りに吸収されてしまいます。特に赤色の光から失われていくので、深く進むほど景色は緑がかって見えてしまうんです。ロジック・アンド・デザインに出会うまでに、私たちは5社ほど画像鮮明化技術を試しましたが、求めるレベルのデータは得られませんでした。同社の技術と出会って、ようやく「遠くまで見える」ことと「正確な色情報の復元」の両立を実現できました。私たちが取り組んでいる技術の一つに、『フォトグラメトリ』という水中3次元測量技術があります。岸壁の上から水面下をROVで撮影し、大量の画像を合成して3次元モデルを作ります。錆やひび割れの状態を正確に復元することで、専門家でなくても劣化状況が直感的に分かるようになります。
この技術を武器に、水中インフラ点検の”当たり前”を作っていく。それは、私たち水龍堂がやるべき仕事だと思っています。


■あいさつ
①サンワテクノス株式会社 代表取締役会長 田中 裕之様
数年前に佐藤社長と出会い、この技術に大きな可能性を感じました。夢を賭けるような気持ちで、当社としても一部出資をし、将来を見据えて販売面での協力をさせていただいてきました。
私たちサンワテクノスの主な販路は、ファクトリーオートメーションやモニタリングなど、産業分野です。私たちは本来、“物”を仕入れて売る商売です。しかし近年は、仕組みごと提供する“事売り”への転換が求められています。とはいえ、目に見えない“技術”を売ることは簡単ではありませんでした。
今回のチップ化によって『鮮明化カメラ』という具体的な製品として提供できるようになったことは、大きな前進です。AIが画像を生成するアプローチとは一線を画しながら、AIとの親和性も高いこの技術。ぜひ皆様と一緒に、新しい市場を作っていきたいと思っています。
②株式会社ロジック・アンド・デザイン 代表取締役 佐藤 公明
コア技術の開発を担う取締役副社長の小林と私が出会ったのは、今から約10年前のことです。意気投合し、その1年後にこの会社を共同設立しました。当時、小林は50代、私はすでに還暦を超えていました。
設立当初、2人でよく語っていたのは「画像鮮明化の技術を、小さなカメラにも搭載したい」という夢でした。しかしその道のりは平坦ではなく、半導体不足による資材調達難、そして円安——三重苦のような逆風が吹いた時期もありました。それでも志を絶やさず開発を続け、4年前にようやく資金調達を実現し、今回発表するプロジェクトが本格的に動き出しました。
そして今、小林は還暦を、私自身は古希を超えてなお、現場の最前線に立ち続けています。大手企業で第一線を歩んできたベテラン社員も加わり、社員の平均年齢は55歳。シルバーベンチャーという、日本の縮図のような会社になりました。
今日がスタートです。開発は終わりました。あとは、いかにたくさん製造して、販売するかという段階に来ています。日本発で世界と戦える高付加価値製品の普及に、ご支援、ご指導をいただきますようお願いいたします。



