いきいきと毎日を過ごし、なじみの仲間もいるあたたかな居場所。ケアをする人・される人という関係を超えて、その場のみんなが「ともに生きる」ことができるホーム。そのようなケアの場は、どのようにつくることができるのでしょうか? 本カードを用いることで、日々の実践を改善したり、スタッフ同士や家族同士でよりよい暮らしの実現に向けて語り合ったりすることができるようになります。2022年9月2日と5日に、発売を記念して無料オンライン・イベントを開催します。カードの使い方とその実践事例について知ることができますので、介護に関わる方、また広くケアや教育に関わる方、ケアを必要とする家族がいる方など、ぜひご参加ください。
「ともに生きることばカード」は、ケアと場づくりについて考え、みんなで話し、より上手く実践できるようになるためのカードです。30枚のカードには、「ともに生きる」ケアの実践者たちへのインタビューを元にまとめられた現場の知恵が凝縮されており、日々の実践の参考にしたり、対話のきっかけにしたりできるようになっています。 なお、本カードの内容は、好評を得ている書籍『ともに生きることば:高齢者向けホームのケアと場づくりのヒント』(金子 智紀, 井庭 崇 著, 丸善出版, 2022年)の要点を抜粋したものになっています。カードならではの特性を活かし、カードを動かしながら考えたり、複数人で語り合ったりしやすいようにデザインされています。高齢者の方へのケアだけでなく、障がいのある方のケア、子育て、教育など、さまざまなケアと場づくりの改善にも、ぜひご活用ください。
■カードセットの内容
- ともに生きることばのカード 30枚(サイズはA6(105×148mm)でコーティングがされており、繰り返しの使用が可能)
- 振り返りワークを促す4枚のワークカード
- 紙製ケース(9.7×13×1.6cm)と説明書
■「ともに生きることば」一覧
「ともに生きることば」は、「自然に暮らせる居場所をつくる」、「地域・社会に根ざす」、「そばに居続ける」という3つのカテゴリーから構成されています。なお、「そばに居続ける」の後半の【最期を受け入れる】の部分のみ、主に高齢者ケアに特化した内容(「看取り」の話)になっていますが、それ以外のカードは、高齢者介護以外のケアの現場でも用いることができる内容になっています。
■「ともに生きることば」に寄せられている声
「ともに生きることば」に対して、ケアに携わる人たちから、すでに共感や期待の声が多数寄せられています。
- “とても共感できることば、驚かされることばでした。未来をつくることは、地域共生社会のキーワードになると思います。そもそもを疑う。それらがつまったパターンになっています。先進事例のアイデアを自分と寄せて考えることで、これから起こりうるリスクや自分たちの枠を超えたアプローチが可能になると思います。”(作業療法士/30代/男性)
- “とても分かりやすいです。「その人」が、イラストで表現されているのも、とても良いと思います。性差や年齢など関係ない、「その人」をイメージできます。人生を全うする支援は、支援する立場としては、エネルギーを要するカテゴリーかなと思います。支援する側の力の差が出る部分とも思います。その中の、No.25の「支え抜くチーム」。この「ことば」をよくぞ入れてくださいました。医師、地域包括、家族、という立場を表す言葉を入れないで、まとめている点も、とても良いと思います。”(ケアマネージャー/50代/女性)
- “父を見送ったときはギリギリまで家庭内での支援だったため、「これまでの習慣(No.2)」には特に変化はありませんでした。代わりに日常的に支援をしてくれている姉・兄たちへ「笑顔が生まれる場(No.9)」を増やすようにすべきでした。今後は母が支援の対象となるため、改めて笑顔を増やしていきたい。パターンランゲージは、困った時の頼れる方針であり、また、道の先を照らす明かりとも言えるでしょう。”(介護家族/50代/男性)
- “介護職よりも、家族に良いのではないか。「ともに生きる」ということで、介護する人とされる人は、車の両輪ということ。どうしたって、どちらかに不具合が生じたら、止まっちゃうじゃない。だったら、その時に「ともに生きることば」は使えると思った。全部を読んで何かわかるというよりかは、一個を紐解いていって、それを紐解いたら全部がほぐれるような気がする。そのほぐれるところを掴むきっかけとして良い。読んで、うーん、そうだそうだって考え始められるから。”(ケアマネージャー/60代/女性)
また、 「ともに生きることばカード」を用いた対話・研修に参加した方々は、次のように語っています。
- “自分を知ること、気づくことおもしろい。結果として、自分の中の福祉観、社会観、ケア力に気づくことができる。”(施設経営者/60代/女性)
- “同じカードを選択しながらも、意見を出し合うことで選択理由は様々であり、カードに関する他の人の経験や意見が、とても興味深く思えました。研修者が単に受け身という形ではなく、研修者が自立的かつ積極的に参加できる研修であったと感じます。”(介護職/50代/女性)
- “他者の意見や考えを聞く知ることで、自分以外の視点にも気付ける。全くフリーで質問をされるより、ある程度の指標があることで、考えやすい。”(介護職/60代/男性)
- “カードを見ながら、今まで関わった利用者さんの顔を思い出すことができた。振り返る良い時間がつくれると思います。”(施設経営者、理学療法士/60代/女性)
- “カードを使ったワークショップは、教材では伝わりづらいところが伝わりました。文字だけでは説明が難しいことも、絵と対話で理解できます。実例を出しながら進めると実習生も、理解が進みました。”(介護福祉士/30代/男性)
■「ともに生きることばカード」の入手方法
Amazon.co.jpにて販売しております。
「ともに生きることばカード」(ケアと場づくりのヒント)
https://creativeshift.co.jp/product/3340/
https://www.amazon.co.jp/dp/B09QY7HSYK
【参考】
『ともに生きることば:高齢者向けホームのケアと場づくりのヒント』(金子 智紀, 井庭 崇 著, 丸善出版, 2022年)
https://www.maruzen-publishing.co.jp/item/?book_no=304435
https://www.amazon.co.jp/dp/462130691X
「旅のことばカード」(認知症とともによりよく生きるためのヒント・カード)
https://creativeshift.co.jp/product/2004/
https://www.amazon.co.jp/dp/B00Z3ES334/
■「ともに生きることばカード」の使い方のご案内
「ともに生きることばカード」をどのように活用することができるのかについては、本カードセットに含まれている取扱説明書で紹介されているとともに、書籍『ともに生きることば:高齢者向けホームのケアと場づくりのヒント』(金子 智紀, 井庭 崇 著, 丸善出版, 2022年)でも詳しく解説されています。併せてご覧ください。
また、『ともに生きることば』の使い方や活用事例を紹介したり、イベントを紹介したりし合うことのできる交流の場として、Facebookグループ「『ともに生きることば』活用・実践」(https://www.facebook.com/groups/tomokoto )が開設されています。皆さんがどのように活用しているのかを知り・学ぶとともに、自分たちの事例もどんどんご紹介していただければと思います。
■出版記念イベントのご案内
2022年9月初旬に、『ともに生きることば』の書籍出版と「ともに生きることばカード」の発売を記念し、全国で魅力的な高齢者向けホームを運営しているゲストをお迎えしたオンライン・イベントを開催いたします。本イベントでは、「ともに生きることばカード」を用いてゲストの方々が日々の実践の中で大切にしていることを具体的に話し合うワークショップを実施します。参加を希望される方は、下記のサイトより、事前申し込みをお願いいたします。
【イベント概要】
日時:2022年9月2日(金)19:00~21:00
2022年9月5日(月)19:00~21:00
形式:オンライン(zoom)
参加費:無料(事前申し込み制)
申し込み方法: https://tomokoto-event.peatix.com/
■「ともに生きることばカード」コンテンツ制作者
金子 智紀(かねこ ともき)
慶應義塾大学 SFC 研究所上席所員、慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科後期博 士課程在籍中。修士(政策・メディア)。NPO 法人 MOTTAI 理事、日本認知症国際プラッ トフォーム編集長、および、令和 3 年度老人保健健康増進等事業「認知症に関する国際 交流プラットフォーム構築のあり方に関する調査研究事業」の委員を兼任。国立研究開 発法人科学技術振興機構(JST)が支援する慶應義塾大学における次世代研究者挑戦的研 究プログラム『未来社会のグランドデザインを描く博士人材の育成』採択(2021 年度)。 2014 年に『旅のことば:認知症とともによりよく生きるためのヒント』(丸善出版)の 作成に関わり、以降、国内外にて認知症になっても以前と同じように暮らしていける社 会の実現を目指したまちづくりの活動・講演・ワークショップを実施。2015 ~ 2020 年は、 NPO 法人認知症フレンドシップクラブの本部スタッフとして、RUN 伴やbeOrange 認知 症まちづくり基金、認知症多世代まちづくりプロジェクトなどの運営にも携わる。
井庭 崇(いば たかし)
慶應義塾大学総合政策学部教授。博士(政策・メディア)。株式会社クリエイティブシフト代表、パターン・ランゲージの国際学術機関TheHillsideGroup理事、および、一般社団法人みつかる+わかる理事。専門は、創造実践学、創造の哲学、未来社会学。これからの社会ヴィジョンとして「創造社会」を掲げ、一人ひとりが創造性を発揮しながら「ナチュラルにクリエイティブに生きる」ことを支援する研究に取り組んでいる。著書・編著書に、『旅のことば:認知症とともによりよく生きるためのヒント』『対話のことば:オープンダイアローグに学ぶ問題解消のための対話の心得』『園づくりのことば:保育をつなぐミドルリーダーの秘訣』(丸善出版)、『コロナの時代の暮らしのヒント』(晶文社)、『パターン・ランゲージ』『クリエイティブ・ラーニング』『社会システム理論』『プレゼンテーション・パターン』(慶應義塾大学出版会)、『おもてなしデザイン・パターン』『プロジェクト・デザイン・パターン』(翔泳社)など。
■会社情報:株式会社クリエイティブシフト
株式会社クリエイティブシフト:慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)井庭崇研究室で進められているパターン・ランゲージの研究を、ひろく社会に提供するための法人として2013年に設立。
https://creativeshift.co.jp