パワー半導体「第5世代SiC-MOSFETチップ」のサンプル提供を開始

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xEV 用 SiC-MOSFET を製造したウエハ(左)とサンプル提供を開始するチップ(右)(イメージ)

 三菱電機株式会社は、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)などの電動車(以下、xEV)の駆動モーター用インバーターやeAxle(※1)に使用される新しい SiC-MOSFET(※2) チップ2品種のサンプル提供を6月下旬から順次開始します。

 当社が新たに開発した独自のトレンチ(※3)構造を持つ第5世代SiC-MOSFETチップで、従来品から約25%低減(※4)した業界トップクラス(※5)の低オン抵抗(※6)を実現しました。xEV用インバーターの性能向上や小型化を可能とし、xEVの航続距離の延伸や電費改善に貢献します。

 なお、本製品は「PCIM Expo & Conference 2026」(6月9日~11日、於:ドイツ連邦共和国・ニュルンベルク)や、日本、中国等で開催される展示会へ出展予定です。

 近年、脱炭素社会の実現に貢献するキーデバイスとして、電力を効率よく変換するパワー半導体の需要が拡大しています。特に自動車分野では、温室効果ガス低減を目的とした自動車の電動化を背景に、モーター駆動におけるインバーターなどの電力変換機器に使用されるパワー半導体の需要拡大と多様化が進んでおり、中でも、電力損失の大幅な低減が可能なSiCパワー半導体への期待が高まっています。

 当社は業界に先駆け、1997年にxEV用パワー半導体モジュールの量産を開始した後、ヒートサイクル(※7)耐性の信頼性を向上するなど、インバーターの小型化に向けた課題を解決する実績を重ね、さまざまなEVやハイブリッド車(HEV)に採用されてきました。また、2010年に電力損失の大幅な低減が可能なSiCパワー半導体モジュールを製品化して以来、エアコンや産業用機器、鉄道車両のインバーターシステムに採用され、家電や産業用機器、鉄道車両の低消費電力化に貢献してきました。

 今回、「第5世代SiC-MOSFETチップ」を市場に提供することで、xEV用インバーターやeAxleの性能向上や小型化を可能とし、xEVの航続距離の延伸や電費改善に貢献します。また、当社独自の製造プロセス技術により、性能劣化と電力損失やオン抵抗などの変動を抑制することで、長期間の使用でも安定した品質を実現し、xEV用インバーターやeAxleの耐久性や性能維持に貢献します。

 当社は、今後もxEVをはじめとした様々なパワーエレクトロニクス機器の省エネ化に向け、低電力損失で高品質のSiC-MOSFETチップの提供を拡大し、GX(Green Transformation)に貢献していきます。

■新製品の特長

1.トレンチ型SiC-MOSFETに新開発の独自構造を採用し、業界トップクラスの低オン抵抗を実現、xEVの航続距離延伸や電費改善に貢献

・新たに開発した当社独自のトレンチ構造であるFSC構造(※8)と、従来から適用している斜め方向からのイオン注入技術により、従来のトレンチ型よりもセル密度を高めて電流を流れやすくし、業界トップクラス(※5)の低オン抵抗を実現

・これにより、従来のトレンチ型SiC-MOSFETと比較してオン抵抗を約25%低減(※4)、xEV用インバーターの性能向上や小型化を可能とし、xEVの航続距離延伸や電費改善に貢献

2.独自の製造プロセス技術をトレンチ型SiC-MOSFETに応用し、xEVの性能維持に貢献

・独自の製造技術により、ボディダイオード通電(※9)による性能劣化を抑制し、品質の安定性を向上

・プレーナー(※10)型やトレンチ型 SiC-MOSFET、SiC-SBD(※11)での20年以上の研究、製造実績で培った、SiC独自の工程管理や当社独自のゲート酸化膜製法などの製造プロセス技術を、新開発のトレンチ型SiC-MOSFETに応用することで、スイッチングのオン・オフ動作によって発生する電力損失やオン抵抗などの変動を抑制

・これらにより、長期間の使用でも安定した品質を実現し、xEV 用インバーターやeAxleの耐久性を確保することで、xEVの性能維持に貢献

■製品仕様

■ 製品担当

 三菱電機株式会社 パワーデバイス製作所

 〒819-0192 福岡県福岡市西区今宿東一丁目1番1号

■三菱電機グループについて

 三菱電機グループは、「Our Philosophy」のもと、サステナビリティを経営の根幹に据え、社会・顧客・株主・従業員をはじめとしたステークホルダーからの信頼を重んじてまいります。また、「収益性」「資本効率」「成長性」を追求するとともに、顧客と繋がり続けて社会課題を解決する新たな価値を創出し、企業価値の持続的向上を図ります。1921年の創業以来、100年を超える歴史を有し、社会システム、エネルギーシステム、防衛・宇宙システム、FAシステム、自動車機器、ビルシステム、空調・家電、デジタルイノベーション、半導体・デバイスといった事業を展開しています。世界に200以上のグループ会社と約15万人の従業員を擁し、2025年度の連結売上高は5兆8,947億円でした。詳細は、オフィシャルウェブサイトをご覧ください。

※1 EVの心臓部となる、モーター、インバーター、ギヤボックスを一体化した駆動ユニット

※2 Silicon Carbide:炭化ケイ素

    Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ

※3 ウエハの表面から溝(トレンチ)を掘り、ゲート電極を埋め込んだ構造

※4 新製品と従来品(第4世代トレンチ型 SiC-MOSFET)の同一定格電圧品としきい値電圧を

    揃えたうえでオン抵抗を比較した場合

※5 2026年5月29日現在。当社調べ

※6 オン抵抗とは、MOSFETなどのパワー半導体がスイッチオン状態の時に、ドレイン・ソース間に

    生じた抵抗値。この値が小さいほど、導通時の電力損失が少なく、発熱も抑えられる

※7 外部環境の変化などによる、製品全体の温度上昇・下降の繰り返し

※8   Flat Source Contact:絶縁膜をトレンチ内部に埋め込む当社独自の構造

※9  MOSFETに内蔵されたダイオードがスイッチOFF時に電流の逃げ道として自動的に流れる現象

※10  ウエハの表面にゲート電極を設けた構造

※11  Schottky Barrier Diode:半導体と金属の接合部に生じるショットキー障壁を利用した

    ダイオード

※12  Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electrical and Electronic 

    Equipment

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三菱電機株式会社 半導体・デバイス第一事業部 自動車事業推進プロジェクトグループ

〒100-8310 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号

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