-
次世代型コンタクトセンタープロジェクトとAI Shiftとの実証実験 概要
本実証実験は、コンタクトセンター全体の顧客体験と生産性の大幅な向上を将来的な目標と定める「次世代型コンタクトセンタープロジェクト※1」の一環として行われ、コンタクトセンターにおける生成AIの実活用を目指します。2023年9月に開始した実証実験※2では、オペレーター支援の一環として生成AIによる通話後の文章生成の自動化と、顧客応対時のマニュアル検索の利便性向上に向けて取り組み、コンタクトセンター運営の効率化に向けて検証を行っています。
更なるコンタクトセンターにおける生成AI活用を目指し、今回もTMJが受託するベネッセ業務を対象にAI Shiftと共同で実証実験を行います。対象領域は、チャットボット自動回答生成と、顧客とオペレーターの通話・録音データの自動要約とし、生成AIによる顧客の体験価値(CX)向上とオペレーターの負荷軽減を目的とします。AI Shiftの持つチャットボット、ボイスボットにおける豊富な実績と知見を、TMJがベネッセ業務で長年培った顧客接点ノウハウに生かすことで、コンタクトセンター運営の次世代化を広く推進します。
※1 TMJ、ベネッセ・Hmcommと共同で、生成AIを活用した「次世代型コンタクトセンタープロジェクト」を開始
https://www.tmj.jp/news/20230616_22500/
※2 TMJ、エーアイスクエアと共同で コンタクトセンターにおける生成AI活用の実証実験を開始
https://www.tmj.jp/news/information/20230927_23449/
今回の実証実験ターゲット
顧客接点における利便性向上とオペレーターの通話後業務の負荷軽減を目指し、2つの業務領域を対象に実証実験を行います。
① 生成AI技術を用いたチャットボット回答の自動生成(回答精度と柔軟性の向上)
AI Shiftが提供する「AI Messenger Chatbot」を用いて、チャットボットの回答自動生成を行います。従来のチャットボットはFAQに事前登録された定型文を表示するに留まるケースが多かった中、質問の意図を判断し、複数のFAQデータを参照に生成AIが自然文での回答を行うことが可能となり、高い回答精度と、あたかも人と自然にやりとりするような柔軟なチャット上のやりとり実現を目指します。また、FAQデータの自動生成も可能とし、コンタクトセンターのメンテナンス負荷軽減も期待されます。
② 生成AI技術による通話データ、録音データの自動要約テキスト作成(通話後業務の自動化)
AI Shiftが提供する「AI Messenger Summary」を用いて、通話データ、録音データの自動要約テキスト作成を行います。電話応対の内容を生成AIが要約、テキスト化、格納までを自動で行うことが可能となり、オペレーターのアフターコール業務の大幅な削減を目指します。そして、オペレーターはより顧客との応対に集中でき、顧客の電話をお待たせしない環境を実現します。また、要約結果は問い合わせ内容ごとにタグ付けも可能なため、VOC(顧客の声、ボイスオブカスタマー)分析や、通話品質診断の高度化にも寄与することが期待されます。
AI Shiftのサービス詳細は以下をご参照ください
● AI Messenger Chatbot https://www.ai-messenger.jp/news/1779/
● AI Messenger Summary https://www.ai-shift.co.jp/3728
なお、本実証実験は約2か月の実施を予定とし、本番実装へ向けた精度検証を行います。社内業務や規模に絞った生成AI導入が業界内で多いなか、多くのユーザーを持つベネッセ業務のコンタクトセンターにて顧客接点領域まで生成AI実装の範囲をいち早く広げ、コンタクトセンターセンターの次世代化を目指します。実運用から得られた生成AI活用の知見を速やかに汎用サービスへ反映し、コンタクトセンターの生成AI活用を広く支援していく予定です。
-
TMJ、CX高度化への取り組み
コンタクトセンターへの期待が大きいCX(顧客体験)提供にシフトする中、チャットやFAQなどのコンタクトチャネルの拡大や、自動応答の実現、問い合わせ前後の痛点(課題解決のボトルネック)解消など、求められる対策レベルが年々向上しています。その実現には高度な顧客接点設計と、素早い検証と対策の実行が求められ、コンタクトセンターの次世代化を目指す企業にとって大きな負荷となっています。
TMJではそれらの負担を軽減し、クライアント企業と伴走をすることで、顧客接点のありたい姿の実現を多くサポートしてきました※3。正確な現状課題の把握からナレッジ整備、技術導入、分析サイクルの設計や運用までをワンストップで行うサービスに一定の評価をいただく中、革新的技術として注目される生成AIを新たに領域として加え、「次世代コンタクトセンタープロジェクト」として更なるCX向上を目指しています。
生成AI活用による業務効率・生産性向上の徐々に検証される一方で、一般業務での活用から、次のステップである組織業務への活用は一定の時間を要しています。TMJは顧客業務の運用での先行導入を進め、検証結果をいち早くコンタクトセンター運営に反映していきます。顧客ニーズのパーソナル化が進むことに加え、労働人口の減少による社会変化を見据え、次世代のコンタクトセンター化を推進していく所存です。
※3 CXを実現する次世代型コンタクトセンターサービスの紹介
https:/www.tmj.jp/cx-callcenter/
■株式会社AI Shiftについて (https://www.ai-shift.co.jp/)
サイバーエージェントの子会社として2019年8⽉に設立。AIにシフトすることで人ならではの仕事に向き合える社会創りを目指し、Chatbot とVoicebot などの提供を通じて、カスタマーサポート業務のDX化を推進。累計導入社数が300 社以上を超え、現在はLLM を活用した事業開発に注力をしています。
■株式会社TMJについて (https://www.tmj.jp/)
TMJは、株式会社福武書店(現・株式会社ベネッセコーポレーション)のインハウスコールセンターより独立分社化する形で1992年に設立。世界でも例のない継続型の会員制事業で培った生産管理、品質管理のノウハウを活かし、多種多様なクライアント企業のコールセンターの設計・運営から、調査・分析、人材派遣、人材育成などのサービスを提供しています。2017年には、セコム株式会社の100%子会社となり、より強固で安全性の高いグループネットワークを活かし、クライアントビジネスの成功をサポートします。