ITトレンドは、企業のシステム導入担当者が自社の課題に適したIT製品を複数の製品・会社から比較検討ができ、その場で一括資料請求できるサイトです。資料請求されているIT製品のカテゴリーを知ることで、企業が抱える法改定対応や業務効率化・DXの課題や傾向がわかります。
今回最も上昇した製品カテゴリーは「Web請求書・クラウド請求書」。3位の「帳票電子化」4位の「経費精算システム」などとともにインボイス制度、電子帳簿保存法の施工に向けて早急な対応を追われる様子が現れる形となり、【2023年3月期 第4四半期の同ランキング】(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000318.000014573.html)から継続して高いニーズを示しており、従業員数の規模を問わず全企業にとって関連するトレンドとなっています。
また今回は2位にランクインした「離職防止・定着率向上ツール」、7位の「メンタルヘルス・ストレスチェック」など従業員エンゲージメントや健康経営など人事関連の製品カテゴリーが目立ちました。資料請求ユーザーへのヒアリングからその背景には、健康経営や人的資本情報の開示など人事領域での企業の新たな制度や義務があることがわかりました。
■2024年3月期 第2四半期 IT製品トレンド
※ 「2024年3月期 第2四半期 IT製品トレンド」
調査概要:ITトレンドで資料請求した製品、所属カテゴリーをもとに算出
対象:2022年10月~2023年9月の有効資料請求データ
有効回答数:229,698
・「主な資料請求理由」には、ランクインした各カテゴリーの資料請求をした企業の担当者に実際にヒアリングを行い得られた回答を分類し代表的なものを掲示
・本調査を引用される際には、「ITトレンド調べ」と必ずご記載ください
■電子帳簿保存法の猶予期間終了間近
電子帳簿保存法の改正は2022年1月1日に施行され、企業はその変更に対応するための準備を始めることが推奨されています。電子データのプリントアウト保存が税務上認められなくなりましたが、2023年12月31日までの2年間は紙での保存が容認される猶予期間が設けられています[1]。また、2023年10月1日からはインボイス制度が始まり、企業はこの新しい制度に対応する必要があります[2]。これらの変更に対応するためには、企業はできるだけ早く適切なシステムとプロセスを導入し、アップデートすることが重要です。
出典:
[1]:電子帳簿保存法改正 税理士法人FP総合研究所
[2]:2023年10月より導入予定の「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」とは?
「Web請求書・クラウド請求書」「帳票電子化」カテゴリへの資料請求のあった企業の担当者に対して行ったヒアリングの結果、回答の半数以上は資料請求理由が電子帳簿保存法またはインボイス制度への対応によるものでした。ヒアリングでは「現在は帳票を紙で管理している」「現行システムが電子帳簿保存法に対応していない」「帳票データを社内のファイルサーバーに保存している」など、電子帳簿保存法への対応によるクラウドシステムの検討の声が多く寄せられています。
さらに、「現在は紙の請求書を郵送している」「請求書をExcelで管理している」など業務のDXが進んでいないために、インボイス制度の開始にスムーズに対応できず、駆け込みでのクラウド製品導入をしている企業が多いことが明るみとなりました。
■エンゲージメント、健康経営関連カテゴリーが急進
「離職防止・定着率向上ツール」や「メンタルヘルス・ストレスチェック」などの製品カテゴリーへの資料請求が急上昇した背景には、2023年3月期決算以降、東京証券取引所の上場企業約4,000社の「人的資本」に係る情報開示が義務化されたことや、経済産業省が推進する「健康経営銘柄」「健康経営優良法人」の新基準として「情報開示の促進」が設けられたことなどがあります。「人的資本経営」「健康経営」は企業が避けては通れない大きなトレンドとなりました。
実際、「離職防止・定着率向上ツール」の製品カテゴリーへの資料請求数は過去2年の同四半期対比で6.4倍、「メンタルヘルス・ストレスチェック」の製品カテゴリーは15倍に急増しています。
上場企業向けの人的資本に関する開示のガイドラインとなる「人的資本可視化指針」にて言及された「人的資本」開示事項・内容例の主な開示分野には「エンゲージメント」「流動性」「健康・安全」などがあります。こうした情報を定量的に収集、評価するためにクラウド型のIT製品の導入、移行を進める企業が増えたことが同製品カテゴリーへの資料請求を押し上げたと考えられます。また、資料請求をした企業の担当者に対して行ったヒアリングでは、「健康経営優良法人認定制度の要件中にストレスチェックの実施があるため」導入を検討したという声もありました。「2024年3月期 第1四半期 IT製品トレンド」5位にランクインした「安否確認システム」の請求のうち、
2023年8月から募集が開始された「健康経営銘柄 2024」「健康経営優良法人 2024」からは健康経営の質の向上を目的として、特定健診・特定保健指導の実施率や、業務パフォーマンス指標、労働安全衛生・リスクマネジメントの開示が評価対象となりました。
こうした変更を受けて、健康経営領域のIT製品でも分析・可視化やレポート機能を拡張する動きがあります。
freee株式会社は、2023年5月に労働政策審議会安全衛生分科会で定められた新規定に対応し、健康診断とストレスチェックの報告を電子申請化するサービス「freee人事労務|健康管理」を10月31日に提供開始。このサービスは、従業員50人以上の企業に対する義務や報告を効率化し、freee人事労務との連携により、健康診断やストレスチェックの対象者を自動で抽出する機能も備えています。
また、株式会社HRBrainは、「wellday(ウェルデイ)」事業を取得し、健康経営領域のサービスを強化しました。これにより、人的資本経営を支援するサービスが拡充され、組織診断、人事評価、360度評価、労務管理、社内チャットボットなどのクラウドサービスが提供されています。
「freee人事労務|健康管理」の提供を開始したfreee株式会社によると、「健康診断やストレスチェックの回答進捗管理、2025年1月から義務化される労働基準監督署への電子申請など、一気通貫で対応することで毎年の対応を効率化することを目的に「freee人事労務|健康管理」の提供を開始しました。今後は、健康診断受診日をスマートフォンから回答できる機能や過重労働や休職状況を可視化する安全衛生レポート機能、従業員ごとに健康診断の結果をPDFで保存する機能の提供を予定しています。」とのことでした。
出典:https://corp.freee.co.jp/news/20230926freee_hr_healthcare.html
■ ITトレンド (https://it-trend.jp/)とは
ITトレンドは株式会社イノベーションのグループ会社である株式会社Innovation & Co.運営している法人向けIT製品の比較・資料請求サイトです。2007年より運用開始、2021年3月には累計訪問者数4,000万人を突破、1,700製品以上を掲載しています。サイトを閲覧し利用する企業内個人であるユーザは、掲載されている製品情報や口コミレビューなどを参考に、自社の課題に適したIT製品を複数の製品・会社から比較検討ができ、その場で資料請求が一括でできます。
【ITトレンドの特徴】
掲載企業は初回掲載時の初期費用のみで製品数やサービス数に関わらず掲載が可能。
資料請求(見込み顧客情報入手)の1件毎の成果報酬課金。
サイトへの集客は検索エンジンが中心。
サイトを閲覧し利用するユーザは、無料で資料請求が可能で、会員登録の必要なし。
■株式会社イノベーション について
株式会社イノベーションは、”「働く」を変える”をミッションとして掲げ、2000年の設立以来、法人営業・マーケティング分野に特化してサービス提供をおこなってきました。創業時より培ってきた「営業」、「マーケティング」の強みと「テクノロジー」を活用して、日本の「働く」にイノベーションを起こします。
所在地 : 東京都渋谷区渋谷3-10-13 TOKYU REIT 渋谷R ビル3F
設立 : 2000年12月14日
代表取締役社長 : 富田直人