【インタビュー概要】
飲食店やクリニックなど店舗ビジネスを中心に、Webマーケティングを支援している株式会社ParaWorks。本業の集客ノウハウも活用しながら、こだわりのインドアゴルフ事業を立ち上げたところ、オープンから5か月で月次収支が黒字になるなど、順調に業績を上げます。
しかし本業でキャッシュが必要となり事業を売却することに。魅力的な案件に問い合わせが殺到した中、代表の中村さんは、金額だけでなく「その企業と、どのような事業シナジーを生み出せるか」に目を付けて譲渡先を選定しました。そして売却後の現在、譲渡先企業とは複数のプロジェクトをともに進めるビジネスパートナーとして良好な関係を築いています。
中村さんに、今回売却した事業の魅力や高額で売却できた理由、譲渡先選定にあたって心掛けたことなどを伺いました。
▼目次
➤ 運営期間8か月、単月粗利50万円営業利益約500万（見込み）と順調だった事業を売却
➤ 「売って終わり」ではなく、ビジネスパートナーになれる譲渡先を選定
➤ 売上が「今後も伸び続けるであろう」根拠となる数字も提示
【運営期間8か月、単月粗利50万円営業利益約500万（見込み）と順調だった事業を売却】
- はじめに、ParaWorks様の事業内容と、今回売却した会員制のインドアゴルフ事業について教えてください。
メインビジネスはWebマーケティング事業で、飲食店やクリニックなど店舗ビジネスのクライアントを中心に、多くの企業様のWEB広告やLINE運用支援などやWEBからの集客のご支援をしています。
会員制のインドアゴルフ事業を立ち上げたのは、Webマーケティングを活用した集客に自信があったから。そして、私自身がゴルフ好きなことや、スタッフを常駐させなくても運営できるため、固定費が家賃とシステム代のみに抑えられることも大きかったです。
初期投資2000万円ほどで始めて8か月間ほど運営をしましたが、オープンから5か月ほどで単月黒字に。営業利益は約500万円（着地見込）でした。
- インドアゴルフ事業のどんなところに、他店と差別化できる強みがありますか。
都内でも随一の性能を誇るゴルフシミュレーション機材を設置して、室内の内装にもこだわるなど、上質な空間を提供できる点です。
ゴルフをする方の中には、打ちっ放しや、ネットを張ってあるだけの室内練習場に足を運ぶ方も多いと思いますが、当店はご家族やご友人やカップルで訪れたくなるようなプライベート空間を演出するようにして違いを打ち出しました。
赤坂や六本木などの都心部にはそうしたインドアゴルフもありますが、どうしても価格が高額になります。一方、私たちが店舗を構えているのは住宅街であることもあり、赤坂や六本木のインドアゴルフと比べると3～4割価格が安いため、近隣の方に喜んでいただいております。無料体験に来た方のうち、8割ほどの方が入会してくれました。
またオープン当時は、近隣の競合他店が人気で予約が取りづらいといった状態がありました。そこで、当店では会員数を絞り、予約を取りやすいようにコントロールしました。会員ビジネスであるため、もちろん会員をたくさん獲得した方が儲かるのですが、あくまでユーザーファーストの環境作りにこだわり、そこが人気を呼びました。
会員様は店舗の近くにお住まいの中級者以上のゴルファーが6～7割を占めていましたが、駐車場があるため、車で30分圏内にお住まいの会員さんも多く来てくれていました。客単価は月額2～3万円です。
- 経営面においては何か工夫をしていましたか。
本業のWebマーケティングのノウハウは、もちろん活用しました。HPやWeb広告、LINEを活用した集客は競合他店より圧倒的に強いと思います。「エリア名×インドアゴルフ」のキーワードで検索1位も獲得しています。
- 事業売却に至った理由を教えてください。
東京を離れて仕事にすることになったのも一因ですが、一番の理由は本業で投資をするにあたって、まとまったキャッシュが必要となったからです。そのため、自社ツールの開発事業も同じタイミングでTRANBIで売却しました。
M&A会社を経営している友人に相談しつつ、並行してTRANBIのようなM&Aプラットフォームにもいくつか登録しました。その中で、圧倒的に量も質も良かったのがTRANBIで。誠実にご検討いただける企業からの申し込みが10件ほどあったため、とても満足しています。
（写真：今回インドアゴルフ事業を売却した中村さん）
【「売って終わり」ではなく、ビジネスパートナーになれる譲渡先を選定】
- 多数の候補の中から、どのようにして買い手様を選定されましたか。
提示いただく金額ももちろん重要な指標ですが、それ以上に「今後ビジネスをご一緒できる企業様に譲渡したい」と考えていました。運営期間はたった8か月といえど、思い入れのある事業なので、「売って終わり／買って終わり」ではなく、今後のビジネス面でタッグを組んで、シナジーを生み出せたらいいなと。
今回選定した買い手様は、ゴルフ場を経営されている会社様で、すでに複数のビジネスでご一緒させていただいています。たとえば、事業譲渡後もインドアゴルフ事業の運営は、業務委託の形で当社が引き続き請け負っています。一方で、先方が運営しているゴルフ場のマーケティング施策や新規事業立ち上げを支援させていただいています。
事業譲渡をきっかけにビジネス上のパートナーになれたことをうれしく思いますし、金額にもお相手にも満足で、TRANBIには感謝しかありません。
- 買い手様との交渉はどのように進みましたか。
一度オンラインでお話させていただいた後、現地を見に来ていただきました。その際に、ゴルフ場を経営されていて事業面でシナジーを生み出せそうだとわかり、かつこちらの譲渡希望金額より高い金額を提示いただいて、一気に有力候補となりました。
ただ、TRANBIで募集を始めてまだ1週間ほどだったので、他の候補企業様とも話をしてみたいと思い、それから1か月ほど交渉を続けていました。その間も、買い手様とは引き続きコミュニケーションを取っていました。多くの候補企業様に会った上で、やはり一番理想的な譲渡先だと確信したため、決定しました。
交渉の中で、買い手様が描いている今後の事業プランやビジョンを聞かせていただいたのですが、すごく明確で。「将来的に複数の都道府県にゴルフ場を展開して、フィットネスやカフェを併設させた新業態にも挑戦したい」といったビジョンだったのですが、純粋に「そのビジョンにご一緒できたら楽しそうだ」と感じられたことも印象に残っています。
事業譲渡は初めてなのでわからないことが多かったものの、TRANBIの担当者がとても真摯に相談に乗ってくださったおかげで、トラブルもなくスムーズに進めることができました。
【売上が「今後も伸び続けるであろう」根拠となる数字も提示】
- 譲渡希望金額はどのように決めましたか。
自分が投資した金額が回収できること、かつ黒字化できているので、さらにプラス評価をしていただけることが理想でした。ただ、今後事業面でシナジーを生み出すことができるなら、当社としては譲渡金額以上の価値が見込めるのかなとも思っていて。結果的に、約3,500万円での譲渡となりました。
事業の価値を伝えるために、「なぜインドアゴルフ事業で順調に売上や利益を伸ばすことができたのか」をまとめたプレゼン資料を作りました。資料の中では、会員数や売上の順調な推移を伝えることはもちろん、検索1位であることやLINEの登録者数がどんどん伸びている様子も数字で示すことで、今後も売り上げが伸び続ける根拠をしっかり示しました。
- またM&Aに挑戦したいという気持ちはお持ちですか？
次は買い手側に回ってみたいという気持ちがあります。思いを持って立ち上げられたもののなかなか軌道に乗らない事業やサービスがあるとして、もし集客に課題があるなら、当社のWebマーケティングのノウハウを生かすことで、事業を伸ばすことが可能だからです。そうした事業を購入して、大きく育てた後にまた売却するといったことができればと思います。
- 事業売却を考えている方にアドバイスをお願いします。
今回のM&Aを振り返って一番良かったことは、理想的な買い手様に巡り会えて、かつその後も良い関係性で一緒にお仕事ができていることです。
「手放して終わり」というスタンスなら、金額だけで譲渡先を決断するのもアリですが、その後もビジネスや人生は続いていくからこそ、相手のお人柄や購入理由、購入後のビジョンについてもしっかり話を聞いた上で、買い手様を選定されることをおすすめします。
■今回売却された事業はこちら
インドアゴルフ単月黒字の会員数都内最高峰のハイスぺ機内装美麗
■そのほかの成約インタビューはこちら
■株式会社トランビ （https://www.tranbi.com）
【会社名】 株式会社トランビ 【代表取締役】 高橋 聡
【設 立】 2016年4月
【事業内容】 M&Aプラットフォーム『TRANBI（トランビ）』の企画・運営、その他関連事業
主に、事業の売り手と買い手をインターネット上で直接マッチングするサービスを提供。成約手数料を廃止し、事業規模に関わらず小規模事業者から利用できるM＆Aプラットフォームとして展開中。2023年8月末時点の登録ユーザー数は142,323人、累計M&A案件数13,919件、累計マッチング数54,233件、平均買い手候補申し込み数10件です。
≪本件に関するお問い合わせ先≫
株式会社トランビ 広報担当
メールアドレス：press@tranbi.com
