本業務提携に至る経緯として、ISIDは2023年8月8日(火)、エンデバー・ユナイテッド株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:三村 智彦)および京セラ株式会社(本社:京都府京都市、代表取締役社長:谷本 秀夫)と共同でJEMSの事業に対する投資を実行しています。
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背景と狙い
ISID は創業以来、製品開発のデジタル化を推進するリーディングカンパニーとして1,700社超の製造業のお客様へソリューションを導入してきました。三次元CAD※1やCAE※2などのデジタル技術を用いて製品設計を効率化するソリューションをいち早く日本の製造業に提供し、浸透させてきた実績を有します。近年では、工場をデジタル空間上に再現し、新しいものづくり手法を事前にシミュレーションすることで製造業のスマートファクトリー化を推進しています。
一方、JEMSは1984年に設立された(旧)富士通周辺機株式会社が、2018年の富士通グループからのカーブアウト時に設立され、日本製造に拘った開発~製造までをワンストップでEMS※3/ODM※4事業を幅広く展開すると共に、自社事業を通じて培った製造業向けソリューション・サービスの開発・提供も行っています。近年では、AIやIoTなどの新技術を活用し、工場におけるものづくり全体をリアルタイムに分析・予測・最適化できるスマートファクトリー化に取り組んでいます。
今回、両社が製造業界で培ってきたノウハウと知見を利活用し、デジタルの力で工場を変革するDXソリューションの企画・提供を行い、製造業界のスマートファクトリー化の推進に共に取り組みます。
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本業務提携の内容
製造業界のスマートファクトリー化に必要不可欠であるリアル(工場)とバーチャル(デジタルあるいは仮想空間)を掛け合わせたソリューションの創出に向け、両社の知見やノウハウをJEMSの自社工場へ導入し、生産・製造ラインに実装することにより、さまざまな検証を行います。ここで生み出された成果を新たなソリューションとして共同開発し、将来的に工場DXソリューションとして提供する予定です。
具体的な内容は以下の通りとなり、共に製造業界への新しい価値提供を目指します。
1. JEMSが自社開発した工場向け生産管理システム「JPRO(ジェイプロ)」の販売・提供 (2023年)
JEMSが開発し、自社工場でも活用する「JPRO」は、量産製品、インデント製品※5および保守製品へ対応するフレシキブルな実践型の生産管理システムであり、大企業から中堅中小企業までの幅広いニーズへの対応が可能です。
ISIDは、「JPRO」を工場DXのコアソリューションの一つとして位置づけ、同社が有する製造業界向けの販路を活用し、2023年8月31日(木)より提供を開始します。
2. 工場DXソリューションのデモンストレーション・見学が可能な工場内ショールームの開設 (2024年)
両社が有するソリューションをJEMSの自社工場へ導入・実稼働させることにより、先進的な工場DXのロールモデ
ルを創出するとともに、その様子をデモンストレーションし、見学することが可能なショールームを開設します。
3. 工場DXソリューションの共同開発 (2025年)
両社が実現するDX化した工場での検証結果や、お客様からのフィードバックを基に新たなソリューションやサービスを共同開発します。
※1 Computer Aided Designの略。3次元の製品設計をデジタルで行うソフトウェアのこと。
※2 Computer Aided Engineeringの略。主にコンピュータ上で仮想試作・試験といったシミュレーションや解析を行うためのツールのこと。
※3 Electronics Manufacturing Serviceの略。電子機器の製造を受託するサービス、またはそのサービスを提供する企業のこと。
※4 Original Design Manufacturingの略。委託者のブランドで製品を設計・生産することを示す。
※5 仕様や組立工数などが一様でない多品種少量生産型の製品。個別受注生産になることが多い。
【参考資料】
2023年8月23日
電通国際情報サービス、富士通、デジタルプロセス、製造業のDX実現に向け協業
2022年8月9日
ISID、NEDO公募事業「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト」に東京大学コンソーシアムメンバーとして参画
2022年7月26日
ISID、次世代モビリティのバーチャルシミュレーション拠点「VDX Studio」を開設
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電通国際情報サービス(ISID)について https://www.isid.co.jp/
ISIDは、「HUMANOLOGY for the future~人とテクノロジーで、その先をつくる。~」をビジョンに、社会や企業のデジタルトランスフォーメーションを、確かな技術力と創造力で支援しています。
金融、製造、ビジネスソリューション、コミュニケーションITの4領域で培ったソリューションの提供に加え、テクノロジーや業界、企業、地域の枠を超えた「X(クロス) Innovation(イノベーション)」を推進し、顧客、生活者、社会の進化と共存に寄与するソリューションを生み出し続けます。
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JEMSについて https://www.j-em-s.com/
JEMSは、人や地球環境にやさしいモノづくりを通じ、あらゆる人が安心して暮らせる社会の実現に貢献するため、お客様の立場で、Engineering~ManufacturingまでMade in Japanによるワンストップの EMS/ODMサービス・製造ソリューションをご提供します。
自社で培ってきた生産技術力に熟練技術者の経験と勘などを可視化し、その英知を加えた実践的なスマートファク
トリー化を進めています。