アパレル製造業に特化したナレッジ管理クラウドツール「patternstorage」、島田商事株式会社にて全社導入が決定。俗人業務の解消と業務効率化を目指す。

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  • 導入の背景

 島田商事株式会社(以下島田商事)とpatternstorage株式会社(本社:岡山県岡山市北区、代表取締役CEO:今井 恵子)(以下patternstorage)では、2022年度の「ひろしまサンドボックス 実装支援事業」により本サービスを利用した社内の業務効率化に向けての取り組みを開始していました。当期間内での効率化の実績により、社内で課題となっていた業務効率化と俗人化の解消を達成するために、patternstorageが提供するナレッジ管理ツールの全社導入と追加の実証検証を決定しました。

 全社導入された本プロダクトでは、顧客の発注書・仕様書に記載されている顧客側の資材コードを、自社基幹システムに受注入力するシーンでの読み替えのサポートをするものです。

 

 島田商事では、受注を受けた際に、自社のどの商品コードで受注処理をするべきか、ブランドや商品の特性等を含めた判断をする必要があり、相当の経験を積んだ担当者でしか処理できない負荷の高い業務になっていました。また、担当者であっても過去の仕入れ履歴を参照する等、処理に一定の時間がかかる負荷の高い状態でした。さらに日々追加される新商品への変更が加わる事で、短時間でベストな判断をすることが難しい業務になっており、高度に俗人化した状態になっていました。

  • 島田商事株式会社 代表取締役社長 島田晋宏様より

 今回、patternstorageさんのサービスを全社導入する事に決めさせてもらいました。ちょうど基幹システムの入れ替えのタイミングで現場の負荷が高まっている中でのご縁だったのですが、試験的に導入してみた部署での評価を受け、全社展開を決めさせてもらいました。

 今後の展開として弊社が期待しているのは以下の2つのポイントです。

第一に、自社の業務効率化と顧客対応力の向上です。現状の受注プロセスを可能な限り効率化する事で、年々複雑かつ短納期になっている顧客の要望に柔軟に対応できる体制を作り、同時に弊社の課題になっている従業員の負荷を軽減する事です。第二に、熟練の担当者しか持ち得なかったナレッジの集約と共有です。ベテラン担当者の知見を集約し、この人でないと対応出来ないという業務をできる限り減らす事で知識の散逸を防ぎ、組織としての対応力を向上させる事を期待しています。

 

 本サービスで解決できる課題は、アパレル業界を支える材料調達の業界全体にも大きな影響を与えるものになると考えています。アパレルの製造は今もアナログな受発注がメインとなっており、多品種化×多重下請けの商流の中で、各社のシステム間連携が大きな問題になっています。我々材料調達の分野は製造のサプライチェーンの中で起点であり重要なポイントになります。そこを担う我々がいち早くデジタル化に取り組む事で、商流全体に与えるインパクトは非常に大きいと考えています。

 

 この取り組みを通じて、業界全体のDXの動きに良い影響を与える事ができると考えています。どの事業所様もデータの入力・リアルタイム反映には課題を感じられている事と思いますので、今回の弊社の導入が業界全体で力を合わせた商流のアップデートに取り組む、良いきっかけになれば良いなと考えています。

  • patternstorage株式会社 今井から

 この度、かねてよりお打ち合わせを重ねてきた島田商事株式会社様に全社導入を決めて頂くことが出来、心から嬉しく思っております。

 弊社では、消費者ニーズの多様化を受け、アパレルの製造サプライチェーンを支える皆様が、もはや自社の企業努力だけでは解消しえない多大な影響を受けている現場に数多く触れ、また悔しい思いをしてきました。

 ご存知の通り、繊維産業は日本の経済発展を支えてきた主力産業の一つです。非常に長い歴史と複雑な商流をもつこの業界の中で、我々が何を提供する事が未来のアパレル産業に寄与するのか常に模索している状態ではありますが、業界の材料調達で大きなシェアを持つ島田商事様に今回の導入をきめていただいた事は、我々にとっても、ひいては繊維業界にとっても大きな分岐点になると考えています。

 アパレル製造業は法人間のデータ連携が非常に難しいという構造的な特徴を持っており、製造サプライチェーンの95%は未だトレース等ができないアナログな状態の商取引であると言われています。これにより、材料の在庫状況をリアルタイムで可視化できず、納期の確定が不明瞭かつ困難になり、結果的に製造スケジュール確度の低下を招いています。同時に、アナログな受注情報を再度自社の基幹システム・PC等に入力するためのデジタル化(パンチング)業務が爆発的に増加しており、本来システムが得意とする自動化・効率化の恩恵を十分に得られないという弊害も招いています。

 そして、製造を請け負う事業所の全てが、日々並大抵でない努力を割いてトラブルの発生を防いでいます。これらの問題がじわじわと国内の現場の体力を奪っている事は明白であり、私たちが解決するべき、非常に意義の大きい課題だと捉えています。

 今回、導入を決めていただいた島田社長様をはじめ、同社様との取り組みの中で、我々と想いを一つにして色々な意見を出してくださり、尽力して下さった該当部署の皆様にもこの場を借りてお礼申し上げます。今回の島田商事様との取り組みを通じて、業界全体を持続可能な産業にアップデートしていく取り組みをより一層力強く進めていければと考えています。

  • 島田商事株式会社について

  島田商事株式会社は、1887年に島田定商店という小さな釦メーカーとして創業しました。時代の変遷と顧客のニーズに柔軟に応えながら、今や取りあつかい点数は100万点を超えるまでになっています。また、独自の資材開発にも力を注ぎ、アパレル商品の新しい可能性を広げる中で、自社内のラボによる厳格な検査で、開発商品の安全且つ迅速な供給体制を実現しています。

◆島田商事株式会社ホームページ

島田商事株式会社 - わたしたちはファッション業界に貢献し続ける服飾資材の総合商社です。
1887年、島田定商店という小さな釦メーカーとして創業した島田商事株式会社は、裏地や芯地、ボタン、肩パット、ファスナー、テープなどアパレル衣料に欠かせない服飾資材の総合商社です。中国やASEAN地域、アメリカなど世界11カ所に拠点を構え、タイムリーに対応できるグローバルネットワークを構築しています。

  • patternstorageとは

  patternstorageは、アパレル製造業に特化したシステム開発とコンサルティングを得意とする会社です。この商流の特徴である、顧客のアナログな受注情報をスムーズにデジタル化し、後続システムへ連携させるサービスを開発・提供する事で、既存の商流をアップデートさせ、アパレル産業全体が持続可能な形にアップデートする世界を目指しています。

 プロダクトと並行したコンサルティングサービスにより、アパレル産業の現場の課題やニーズに合わせて最適なソリューションを提案し、導入から運用までをサポートします。

patternstorageが目指す世界感や採用について興味をお持ちの方は、以下のリンクをご覧ください。

◆公式ホームページ

アパレル業「生産管理・縫製仕様書ソフト」のサービス
patternstorageはアパレル商品の企画から納品まで、全ての工程を一元管理できるアパレル製造業に特化したシステムです。縫製仕様書作成と生産管理がこれ一つで完了するサブスクリプション型のサービスです。

◆patternstorageの関連プレスリリース

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patternstorage株式会社のプレスリリース(2023年4月27日 10時00分)patternstorage株式会社、執行役員CTO就任のお知らせ
パターンストレージ、アパレル商社の進捗管理 23年度に - 日本経済新聞
アパレル業界向けクラウドシステムを手掛けるpatternstorage(パターンストレージ、岡山市)は、アパレル商社の生産管理に参入する。広島県内の企業で試験導入し、2023年度からの有料化を目指す。アパレル商社はメーカーからの膨大な仕様書の処理で忙殺されており、システム導入で労務環境を改善し残業代の減少にもつなげる。...
スタートアップの資金調達や事業提携のマッチング機会を提供 アクセラレーションプログラム「FASTAR」ピッチイベントを7月21日(金曜)開催
独立行政法人中小企業基盤整備機構のプレスリリース(2023年6月21日 11時00分)スタートアップの資金調達や事業提携のマッチング機会を提供 アクセラレーションプログラム「FASTAR」ピッチイベントを7月21日(金曜)開催
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