一般社団法人デジタルサイネージコンソーシアム(以下DSC)は、DSCが参画するWorld Out Of Home Organization (以下WOO) が本年5月にWOO総会で発表した「OOHオーディエンス測定の新しいグローバルガイドライン」の日本語版を発行いたしました。
https://digital-signage.jp/wp-content/uploads/pdf/20221002_WOO-Global-OOH-Audience-Guidlines-Japanese_FINAL_Clean.pdf
【背景】
DSCは、デジタルOOHのオーディエンス測定に関する標準を示すことを目的とする「オーディエンスメジャメントガイドライン(第1版)」を2021年3月1日に策定、公開いたしましたが、DSCが参画する世界で唯一のグローバルOOH業界団体 WOO(旧FEPE)は2009年にリリースした「GLOBAL GUIDELINES ON OUT-OF-HOME AUDIENCE MEASUREMNET」を時代のニーズに合わせて本年5月に改定しました。2009年の「GLOBAL GUIDELINES ON OUT-OF-HOME AUDIENCE MEASUREMNET」はOOHの「視認者」数を推計するための計測ガイドラインを提示、世界各国のOOH視認者数計測モデルの基礎となっています。
【目的】
新しいグローバルガイドライン“GLOBAL OOH AUDIENCE MEASUREMNET GUIDELINES”日本語版発行の目的は、あらゆるOOHの価値、説明責任、信頼を改善し、OOHとデジタルOOHのベストプラクティスを更新することにより、OOHオーディエンス・メジャメントの標準化を推進、マーケットの拡大に寄与するものです。
【対象OOH】
すべてのOOH媒体(アナログOOH、デジタルOOH、プログラマティックDOOH)ですべての設置場所
【概要】
OOH オーディエンス測定の改訂要件(①デジタル化への対応 ②最新データの活用 ③クロスメディア対応)、グローバル測定アプローチの実践的なレビュー、厳格な用語の定義および用語集、参照資料から構成され、「透明性」「厳格な論理」「信頼できるデータ利用」の担保、各国の個人情報保護法への準拠を求め、OOH媒体の種類や設置場所に依存しない網羅性のある計測モデルの策定とVAC(Visibility Adjusted Contacts:広告が表示されている間、定義された視認エリア内で広告フレームの方向を向いており、その広告を見たと想定できる確率をかけて調整した個人の合計)の測定を推奨しています。
【WFAの動き】
WFA(World Federation of Advertisers)は、クロスメディア環境でのメジャメントの重要性が高まる中で、ワーキンググループを発足し、クロスメディアの計測基準 – 視認をベースにした基準”Project Origin”の研究・情報発信を進めています。
WFAの参加団体である公益社団法人 日本アドバタイザーズ協会(JAA)専務理事 鈴木信二様は“GLOBAL OOH AUDIENCE MEASUREMNET GUIDELINES”日本語版発行にあたり次のように述べています。
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OOHが様々な研究によって、その媒体価値が非常に高いことが示唆されており、今後もマーケットが広がることが期待できる。一方で、クロスメディア環境が一般的になった昨今の広告活動においては、様々なメディアとの比較検討をするために、指標の標準化が重要になってくる。
今回のグローバルガイドラインを参考にしながら、時間がかかることだとは思うが、業界関係者が一致団結して標準化に取組むことを期待している。
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※ World Out of Home Organization (WOO)はOOHに関連する世界各国の媒体社、広告会社、業界団体、およびサプライヤーを網羅する国際団体。現在、100ヵ国以上の国々から120を超える企業・団体が加盟。世界中のOOHに関するノウハウ、ケーススタディ、市場予測の共有、クリエイティブ・アワードや業界における革新的な取り組みの表彰などを行っている。さらに、行政、国際団体、政治団体、マスコミへのロビー活動を通じて、OOH業界の健全な成長と地位の向上にも力を入れている。