半導体ウエーハの微細なエッチングを低コストで実現する プラズマエッチング・アッシング装置“MAS-8220TP”を発売

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キヤノンマーケティングジャパン株式会社(代表取締役社長:足立正親、以下キヤノンMJ)は、半導体製造におけるプラズマエッチング・アッシング装置“MAS-8220TP”を2022年9月1日に発売します。“MAS-8220TP”は、パワー半導体などのウエーハの電子回路を形成する工程で、従来機※1と比べより微細で正確なエッチングを実現し、低コスト、省スペースにより半導体製造における生産性向上を支援します。

プラズマエッチング・アッシング装置“MAS-8220TP”プラズマエッチング・アッシング装置“MAS-8220TP”

ニュースリリース一覧 2022年
キヤノンマーケティングジャパングループ会社の2022年度発表のニュースリリース一覧を掲載しています。

このたびキヤノンMJが発売する“MAS-8220TP”は、近年自動車の電気制御などに使われ世界的に需要が高まっているパワー半導体をはじめ、通信機器、産業用機器で使用される電子デバイス製造向けプラズマエッチング・アッシング装置です。

半導体製造におけるエッチングとは、基板となるウエーハの露光・現像を行った後に、電気回路のパターンを化学的、物理的反応により形成する工程です。
“MAS-8220TP”は、エッチングを行う処理室(チャンバー)内の圧力制御範囲が従来機に比べて大きくなりました。これにより異方性エッチング※2加工が可能となり、より精密かつ正確な回路の形成を実現します。

これまで安価なエッチング装置では、等方性エッチング※3しか行えず、より微細で複雑な回路を形成することが困難でした。“MAS-8220TP”は、ハイエンドエッチング装置のみ行うことができた異方性エッチングが可能になるため、製造コストの低減を実現します。また、これまで比較的容易なエッチング工程に使われていたハイエンドエッチング装置を、より複雑な工程に集中させることにより、装置の最適配置を実現し、半導体製造工程全体の生産性向上を支援します。

キヤノンMJは、“MAS-8220TP”導入による製造コスト低減を通じ、価格競争力の強化や増産にむけた設備投資を後押しします。また、設置から保守まで現場のパフォーマンスを高める迅速なサポートにより、国内における半導体の安定的な製造を支援します。なお、2025年までに“MAS-8220TP”を含むMASシリーズで100台の販売を目指します。

キヤノンMJは今後も、産業と技術革新の基盤となる半導体デバイスの生産性向上に寄与し、日本のものづくりを支えていきます。

 

製品名 希望小売価格(税別) 発売日
プラズマエッチング・アッシング装置
MAS-8220TP
オープン価格※4 2022年9月1日

 

※1. MAS-8220AT(2014年発売)
※2. ある一方向にのみエッチングすること。
※3. 垂直・水平含めた全方向にエッチングすること。
※4. 装置仕様構成により販売価格は変動します。

<プラズマエッチング・アッシング装置 “MAS-8220TP”の主な特長>
● コンパクトなフットプリント(W×D: 1260mm×1930mm)
● 装置本体の両側面にメンテナンススペースが不要。MAS装置複数台の横づけ設置が可能。
● 装置構成部材・ガス種を一部変更する事によりエッチング・アッシングのどちらの工程にも対応可能。
● 独立した2式のチャンバーと高速多関節ロボットの採用によって、多彩で高速な搬送シーケンスに対応。
● 幅広いプロセス圧力レンジにより、自由なレシピ構築が可能。
● 2ゾーン温度コントロールステージにより、ウエーハセンター/エッジのレートコントロールが可能。
● 前モデル「MAS-8220」 「MAS-8220AT」とプロセス互換性あり。

<対象工程一例>
「MAS-8220AT」で対応可能であった工程に加え、新たにハイエンドなプロセスである異方性エッチング工程も対応可能。
●【NEW】タングステンエッチバック工程
●【NEW】バリアメタル異方性エッチング工程
●【NEW】Pad異方性エッチング工程
● アッシング工程
● 等方性エッチング工程
● Poly-Siエッチバック工程

<MASシリーズについて>
MASシリーズは、1985年に販売開始してからシリーズ累計1,200台以上の納入実績がある、キヤノンMJが設計・販売・サポートしている枚葉式ハイスループットエッチング・アッシング装置です。今日まで35年以上、改良を重ねながら販売を続けています。
 

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