- 1、ドクターズコスメの定義とこれまでの歩み
ドクターズコスメは、明確な定義や商標登録がされている訳ではなく、一般的には『皮膚科医など肌の専門家が開発、監修した化粧品』と認識されています。
日本ではオールインワンコスメの先駆けとして、1995年にクリニックで生まれた『ドクターシーラボ』をイメージされる方も多いのではないでしょうか。パイオニアである『ドクターシーラボ』の流行を皮切りに、皮膚科医など肌の専門家が開発、監修するドクターズコスメの認知が確立され、拡大していったと考えられます。
近年ではマスク生活がデフォルトとなる中、マスクで肌荒れする人も急増。肌の専門家が監修している=安心、信頼できるとして、ドクターズコスメの需要は高まりました。
そして、ドクターズコスメの先進国である韓国や台湾などのアジア圏のドクターズコスメが続々と日本市場に参入し、ますます市場規模が広がっていきました。
- 2、ドクターズコスメの認知度の現在地
「ドクターズコスメを知っていますか?」という問いに対しては、全体では約46%、半数が知っているという結果に。
年代別にみると年代が上がるとともに認知度が高まり、30代と40代では約6割の人が知っているという結果になりました。当然ながら年齢が上がるにつれて、肌への悩みが増えるという背景が考えられます。
さらにSNSを活用して情報をリサーチし、効果が期待できるドクターズコスメにたどり着いたという人が多いのではないでしょうか。
また、「ドクターズコスメを実際に使用したことはありますか?」という設問に対して「使用したことがある」と回答したのは、30代・40代では過半数を超えるのに対し、10代では約2割に。
若年層ではシミ・シワなどエイジング悩みも少なく、ドクターズコスメにたどり着かないという人も多いのではないでしょうか。実際に”信頼性がある、品質がよさそう、安全安心”という前向きな意見があった一方、“肌には良さそうだけど値段が高い”という意見が多く見られました。10 代にとっては値段の高さもハードルのひとつと考えられます。
一方、興味があると答えた人は、
・科学的根拠がある
・信頼性が高い
・成分が良い
などの意見が多く、10代でも成分にこだわりがあり知識が豊富な層から支持されているようです。
- 3、コロナ禍で高まりを見せたドクターズコスメへの興味・関心
「コロナ禍以前に比べてドクターズコスメに興味・関心は高まりましたか?」という設問に対しては、全体で興味が高まったという人は全体約8割という結果になりました。
特に4割の人はとても関心が高まったと回答しており、ドクターズコスメへの注目度の高さが伺えます。
理由としては、以下の3つが考えられるのではないでしょうか。
① マスクによる肌荒れ
② 時間の使い方が変わりスキンケアに費やす時間が増えた
③ 人と会う機会が減り交際費などを美容代にシフトする人が増えた
そういった複数の要因からも、ドクターズコスメにたどり着くという人が増えた印象です。
- 4、韓国ブランドが参入したことがドクターズコスメ日本市場拡大の追い風に!
「韓国のドクターズコスメを使用・購入したことがありますか?」という設問に対しては、全体で約6割の人がしたことがあるという結果になりました。
肌の綺麗さが美しさの基準のひとつである韓国では、長年ドクターズコスメが愛用されてきました。そのような背景もあり、韓国では日本よりも価格帯も安価なものから高価なものまで幅広いラインナップ、数多くのブランドが存在しています。
また、人気のあるK-POPアイドルが使用していたり、ECサイト「Qoo10」の登場により、韓国のドクターズコスメがより身近になったことが、日本でも支持が広がる要因になっているのではないでしょうか。
具体的に使用したことがある韓国のブランドとしては、
・CNP Laboratory
・メディヒール
・VT Cosmetics
・Dr.Jart+
などのブランド名が多く見られました。
最近ではドラックストアやバラエティショップで手軽に、そして手に取りやすい価格帯で購入できることも要因のひとつと考えられます。
また、韓国ブランド以外だと『DR.WU』などの台湾ドクターズコスメのブランドも挙げられています。今後は、韓国を先頭に台湾などのアジア圏のドクターズコスメが注目を浴びると考えられます。
- 5、ドクターズコスメ、訴求のポイントは?
10代は2位、20代以降は1位となった“信頼性が高い”という点から、ドクターズコスメは、医師・専門家監修による安心感が一番の訴求ポイントであることが伺えます。
年代別でみると10代、20代の若年層では“経済的に”が圧倒的1位という結果に。“効果・効能がわからない”は、年代が上がるにつれて増える傾向にありました。
また40代以上だと“どこで購入できるかわからなかったから”と人も多くSNSなどで購入意欲が高まっても、公式オンラインショップでしか購入できる場がないブランドも多く、販売チャネルが限定されていることも購入のハードルになっていると考えられます。
- 6、日本のドクターズコスメのこれから
コロナを機に今日本でも市場を拡大しつつあるドクターズコスメですが、今後は韓国、台湾をはじめとしたドクターズコスメ先進国のアジア圏ドクターズコスメの参入も拡大し、ますます盛り上がりを見せるのではないでしょうか。
しかしドクターズコスメと言っても定義が曖昧で、価格帯も様々です。
特にドクターズコスメに興味があるのは30代以降のエイジングサインが気になり始める年代のため、エイジングサインや悩みに特化した訴求が重要だと言えます。SNSだけでなく、その世代に向けた効果・効能を分かりやすく訴求していくことも大切なのではないでしょうか。
また、オンラインでしか買えないブランドやクリニックなどの専売ブランドも多く、実際に試して買えない、どこで買えるかわからないという意見も多く、その点も今後の課題だと考えられます。
今回は日本のドクターズコスメ事情でしたが、次回は、ユーザーのクチコミから日韓のドクターズコスメと近年話題になっているドクターズコスメを比較。各国のドクターズコスメの特徴を調査・分析します。
取材協力/髙丘美沙紀
※こちらの内容は、『LIPS labo』のnoteからもご覧いただけます。
https://note.com/lips_labo/n/n09434c4617f3
(過去の調査についても、ぜひあわせてご覧ください)
- 調査結果詳細
調査方法:アンケート調査
調査期間:2022年7月21日(木)〜7月26日(火)
調査対象:LIPSユーザーである10代〜40代の男女
対象者数:1,537名
- 引用時のお願い
本調査分析を転載・ご利用いただく場合は、出典元として下記のような記載お願いいたします。
例:「『LIPS』による調査」「『LIPS』調べ」など
また、引用された際にはお手数ですが弊社広報までご連絡をいただけましたら幸いです。
- LIPSについて
2017年1月にサービスをローンチし、2020年には「コスメ・メイクのクチコミ検索アプリダウンロード数No.1」(出典:App Annie 日本国内 iOS & Android、合計:2020年1月〜12月)を記録。2022年5月には累計900万ダウンロードを突破しました。リリースより5年目を迎え、新たに「なりたい自分を、もっと自由に」をコンセプトに、性別・世代を問わず メイクや美容を通じて個々人の「幸せ」や「なりたい姿」を自由に追求できるプラットフォームを目指しております。メイクやスキンケアに関する商品レビューやユーザー間コミュニケーション、人気ランキング、新商品情報やプレゼント企画など様々な機能やコンテンツを無料で提供しております。
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社名:株式会社AppBrew
所在地:東京都文京区本郷1丁目11-6 東接本郷ビル4階
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