<パネリスト>
TIS株式会社 IT基盤技術事業本部 IT基盤ビジネス事業部長 黒田 訓功 氏(左から2番目)
株式会社ブリスコラ 代表取締役 末貞 慶太郎 氏 (右)
アイディア株式会社 代表取締役社長 下川部 知洋(右から2番目)
<モデレーター>
TIS株式会社 IT基盤技術事業本部 IT基盤ビジネス事業部 IT基盤営業部 エキスパート 川田 達也 氏(左)
※以下、社名・氏名ともに敬称略。
TIS 川田)
まず、下川部さんから実践企業としてのお立場から、先進的取組みの背景、DXビジネスプラットフォームを構築されたねらい、についてお話を伺います。
アイディア 下川部)
アイディア株式会社は4年程前に会社を設立し、最初の1年半程でシステムを構築し今に至っています。海事産業の発展にDXをもって貢献したい、その一つの形として海事産業向けのプラットフォーム「Aisea(アイシア)」を提供しています。まず、このAiseaについてご説明をさせていただきます。
Aiseaは、海事産業の皆様が使われる基本的な業務システムをSaaS型で提供することを第一としています。(下図、右下)その上で、実際の現場となる海上でお仕事をされている方々が使うシステムと、現場で使われる事務的なシステムが常にリアルタイムで同期されて動いている、ということを基本として提供しているのがAiseaになります。
Aiseaは色々なものをつなぎ、色々な表現をしているので、当然ながら「API」を多く活用させていただきシステムが動いているという形になっています。これが基本的なサービスパッケージとなります。
当然ながらお客様の要望を聞いていく上で、さらに業務を効率化していきたい、もしくはこういった特殊なことをやっていきたい、といったカスタマイズのご要望にもAiseaは応えられるようになっています。そのカスタマイズも、自社側でやるカスタマイズもあるのですが、それだけに留まらず、他のデータや情報を駆使してさらにカスタマイズしたいというお客様もでてきました。
そのようなお客様の要望に応えるためにはどうしたらよいのか。そのための一つとして、サードパーティ様のデータというのが非常に大事になってきます。(上図、左上)船の世界、海の世界、非常に「気象」が重要で、この気象データを組み合わせることで、より最適な業務を提案し考えることができるのです。もちろん、我々は気象データを持っていないので、気象データを取り込んだ上で、弊社が提供している業務システムと連携する、それによってお客様のさらなるサービスに応えられるようになるのです。このように、お客様の要望に応えらえるよう、外部のデータとつながっていくということが求められるようになってきています。
さらに、そのデータというのは、大きくミッションクリティカルになり、ひとつの大きな基幹システムのようなものを作っていかなければならない状況になってきています。(上図、右上)この二つの要素が、今後のAiseaに必要な状況になってきました。
まず、世の中の標準的なAPIはどうなっているのか、今後どのような準備をしておかなければならないか、といった基本設計からきちんと考えなければならない状況となり、Kong社の知見を多く持っているブリスコラに指導いただきながら作っていこうと考えました。また実際に、構築・運用をするために大規模システムを大変得意とされているTISの知見を頂きたい、ということでこの2社に協力を得ながら、今後の新しいAiseaというプラットフォームを作っていく取組みとして今回のプロジェクト実施に至っています。
TIS 川田)
下川部さんにはじめてお会いし、Aiseaやビジネス構想について初めてお話をうかがった際、ビジネス戦略をIT化させ実行計画に落としていくことがとても難しい部分だな、とコンサルティングの提案等、実際のご支援をさせていただく中で感じる部分ではありました。
今回のプロジェクトでは、ブリスコラがコンサルティングを提供し、RFP、実際の実行計画に落としていったかと思います。次のテーマでは、ビジネスの中でAPIをいかに活用していくのか、プロジェクトとしてどのように進めることが大事なポイントなのか、を末貞さんよりおうかがいします。
ブリスコラ 末貞)
ブリスコラは、APIのコンサルティングをはじめ、オープンソースを活用したソフトウェアの開発・提供、さらにエンジニアリングを提供しています。今回は、アイディア、TISから相談を頂きまして、下図のプラットフォームにて、設計部分のコンサルティングを提供させていただきました。
先ほど下川部さんの資料にあった「オープン イノベーション」 にも共通していますが、オープンソースを活用したシステムをどのようにつくっていくのかという点が、ブリスコラのテーマの一つとしてあります。世界の潮流では、テクノロジーの進化が著しく、様々なものがDXという言葉の下でAPIによって公開される時代がやってきました。そこを支えるテクノロジーとして様々なアプローチがあるのですが、オープンソースを活用しエンジニアの方たちが作り上げたものを、ビジネスにいかに取り込んでいくのか、ということをテーマにしています。
今回、すでにアイディアは要件に対して高い知見をお持ちで、さらにTISもクラウドや運用の知見を豊富にお持ちでしたので、そこにブリスコラの持つノウハウをどのように組み合わせたらよいのか、オープンソースのKongをもとにビジネスレベルに求められるものをいかに作り上げていくか、という点に留意し、上図にある「APIプラットフォーム要件策定コンサルティング」の提供をさせていただきました。
API自体は外からアクセスされる API Gatewayというものがあります。これは「認証・認可」といわれるガバナンスを効かせるところをどのように設計するのか、そしてAPIのアクセスを「誰が・いつ・どこに」アクセスさせるか、を管理するものになります。この部分をオープンソースによって実現するにはビジネス側としてちょっと工夫が必要です。そのため、オープンソースをうまく活用してビジネスを創り上げるきっかけをお伝えし、それをまとめあげることで、テクノロジーの進化とコストメリットを最大化させる戦略的なシステム要件を、コンサルティングを通して支援させて頂きました。(後半に続く)
【開催レポート】アイディア登壇、 TIS INTEC Group 主催 BUSINESS SUMMIT 2023(後半)見出し
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民間領域におけるAPIビジネスの状況
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パネルディスカッション
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000045385.html