社内公募で選ばれた社員は1年間、シリコンバレーにおいて、DNX Venturesと共同で開発したトレーニングを受けながら事業化を検証するとともに、VCなどからの資金調達をめざします。そして、日立ソリューションズから独立し、スタートアップ企業として事業成長に挑戦します。スタートアップ企業が事業撤退することになったとしても、日立ソリューションズが再雇用するオプション（社員にとってのセーフティネット）を用意しています。
日立ソリューションズは、これにより、次世代のグローバル人財育成や新事業創生マインドの醸成を図るとともに、リーンスタートアップのノウハウを蓄積していきます。今後は、企業の枠を超えて、有識者を幅広く巻き込み、ナレッジ共有やアイデア醸成をめざす起業家コミュニティも立ち上げていきます。そして、社会課題解決につながる新サービスをグローバルファーストで創出し、社会のサステナビリティ・トランスフォーメーション（SX）の実現に貢献していきます。
図： スタートアップ創出制度のプログラム
■ 背景
日立ソリューションズは、15年以上前にシリコンバレーに拠点を設置し、現地のベンチャーキャピタルやスタートアップ企業、IT企業との交流を続けています。最新の技術動向の調査や優れたサービスや製品を早期に発掘し、日本市場に親和性の高い多くのサービス、製品を提供してきました。
ITがビジネスや社会に欠かせない存在となり、そして解決が求められる課題が複雑化するなか、これらの知見やネットワークを生かし、国内の既存事業にとらわれず、アイデアと志をもった社員がグローバルファーストでの新規事業創出に取り組めるよう、新制度を開始します。社内公募は原則、年1回実施されます。
2022年10月より、試行的な取り組みとして、1チーム2名がシリコンバレーで事業検証を行っています。このたびの制度の本格運用に向けて、2022年12月に「快適な居住空間実現」や「建設現場の安全管理」のアイデアを挙げた公募2チームが選出されました。2023年4月よりシリコンバレーに赴き、スタートアップ創出をめざします。
■ スタートアップ創出制度の経緯と概要
本制度は、山本社長のリーダーシップの下、多様性豊かな人財が集まり、新しいことに果敢に挑戦する企業をめざす活動としてスタートしました。中期経営計画の重点方針のひとつである「SXを意識した事業運営」における新しい施策のひとつです。
派遣チームは、自らの事業アイディアで社内選抜を通過し、渡米します。渡米後の支援概要は下記の通りです。
1．ベンチャーキャピタルDNX Venturesのノウハウが凝縮した、シリコンバレーでの実践型起業トレーニング
シリコンバレーにあるDNX Venturesと開発したプログラムを通じて、事業アイディアを実現するために必要な仮説検証を繰り返し、資金調達に向けた事業計画策定をします。
2．グローバルでの資金調達を達成し、スタートアップを設立
策定した事業計画で、ベンチャーキャピタルなどからの資金調達をめざします。その後、日立ソリューションズを退社し、スタートアップの経営者として、事業成長に努めます。
■ DNX Venturesについて
DNX Venturesは、2011年に創業し東京とシリコンバレーに拠点を持ち、B2Bのアーリステージスタートアップへの投資を行うベンチャーキャピタルです。SaaS、クラウド、サイバーセキュリティ、リテール、フィンテックやサスティナブルの分野に注力しており、運用しているファンド総額は、$750Mになります。日立ソリューションズは同社の運営するファンドに出資し、密な信頼関係を構築しています。
日立ソリューションズの本制度開始について、DNX Venturesのマネージングパートナーである北村充崇氏は、「本制度は、日立ソリューションズをはじめとする、先進的な日本企業によるスタートアップエコノミー活性化や同エコシステムとの連携強化を示唆する動きと捉えており、このプログラムの成功に向け、DNXも全面的に協力支援するものです。」と語っています。
※記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。
